2004.06.09

腫瘍サイズ、漿膜浸潤、MIB-1ラベリング係数が胃の消化管間質腫瘍の再発リスク予測に有用

 消化管間質腫瘍(GIST)患者のリスクは、腫瘍サイズと有糸分裂回数(mitotic count)の2つから評価できると報告されている(Proc ASCO 22:818, 2003)。しかし、このリスク評価のクライテリア(以下REと略)は、腫瘍の活動性に注目したものであり、再発リスクの予測にはそれほど向いていないと考えられる。そこで、三浦市立病院の長晴彦氏らは、神奈川県立がんセンターにおける胃GIST41症例を対象に臨床病理学的な解析を行い、独自にリスク評価のクライテリアについて検討した。その結果、腫瘍サイズ、漿膜浸潤、MIB-1ラベリング係数の3つが、再発リスクおよび生存率の評価により有用であることが認められたという。

 対象の41例のうち39例は根治的切除術例で、残りの2例は同時転移が見られたための姑息的手術例である。中央値で42カ月間フォローアップし、各種臨床病理学的パラメータと再発との関連について解析を加えた。

 フォローアップ期間中、41例中の10例で再発が見られた。各種臨床病理学的パラメータと再発との関連の単変量解析の結果では、腫瘍サイズ≧10cm、漿膜浸潤陽性、MIB-1ラベリング係数≧10%の3つが再発の有意(p<0.001)なリスク因子であることが示された。この3つの因子のどれかに該当した場合を高リスク群として再発を予測した場合の感度と特異度は、それぞれ100%と77%だった。一方、REのクライテリア(高リスク群:腫瘍サイズ>5cmかつ有糸分裂回数>5/50HPF、腫瘍サイズ>10cm、有糸分裂回数>10/50HPFのいずれか)で再発を予測した場合の感度と特異度はそれぞれ90%と48%だった。また、長氏らの新規クライテリアにおける高リスク群の予測5年生存率は54%で、これはREのクライテリアにおける高リスク群の予測5年生存率より有意(p<0.001)に低かった。

 長氏は「REは再発予測における特異度が低いことから、たとえば根治的手術例に対する補助療法としてイマチニブを投与すべきかどうかなどの判断には向いていない。その点、われわれの考える新規クライテリアは、胃GISTの再発および生存率の双方を予測するうえでより有用であろう」と結論付けた。


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