2004.06.09

悪性脳腫瘍の放射線併用・補助療法のテモゾロミド投与で2年生存率が2.6倍に

 成人が発症する原発性脳腫瘍の中で多形膠芽腫は悪性度が高く、生存期間の中央値は1年を切る。放射線照射の単独治療と、併用・補助化学療法としてテモゾロミドを投与した場合を比較する第3相臨床試験の結果、放射線照射だけの場合に対して、2年生存率が26%対10%、1年間の増悪停止率が27%対9%と大幅に向上する成績が得られた。6月7日午後に行われたプレナリーセッションの5題の報告の一つとして、スイスLausanne大学病院のRoger Stupp氏が報告した。

 米国では原発性脳腫瘍のうち、多形膠芽腫が50〜60%を占める。しかし、原発性脳腫瘍自体が日本や欧米では10万人に10人程度のまれな疾患であるため、Stupp氏らは、欧州癌治療研究機構とカナダ癌学会臨床試験グループが、欧州、カナダ、オーストラリアの14カ国の80施設超で大規模第3相臨床試験を実施した。

 対照は多形膠芽腫の患者577人で放射線の単独療法と放射線+テモゾロミド投与の2群に無作為割り付けが行われた。照射された放射線量の中央値はどちらの群も平均60Gy(グレイ)だった。

 放射線は1日200cGy(センチグレイ)ずつ6週間、計60Gyを照射した。投与群には放射線照射に加え、併用療法として毎日テモゾロミド75mg/m2を6週間投与し、放射線照射終了後は、4週ごとに1日150〜200mg/m2を5日間投与し、これを6サイクル反復した。

 その結果、テモゾロミド投与群の生存期間の中央値は14.1カ月で放射線単独群の12.1カ月よりも有意に長かった。2年生存率は、26%対10%。死亡リスクは投与群が37%低かった。また、増悪停止期間も、投与群の中央値は6.9カ月と放射線単独群の5カ月を上回った。2年増悪停止率は27%対9%、3年停止率は11%対2%といずれも大きな差があった。

 プレナリーセッションでは、発表に対してコメンテーターが15分間の評価を行う。Stupp氏の発表に対してコメントしたCalifornia大学San Fransisco校のMichael Prados氏は、投与群と非投与群で生存期間の中央値の差に比べ、2年生存率の向上が著しく大きいことを指摘したほか、テモゾロミドがより軽症の群で効果を発揮している可能性があること、放射線照射後の補助療法を行わず、併用療法だけを実施した研究で好成績が上がっていることを紹介、今後の研究の必要性を指摘していた。(中沢真也)

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