2004.06.08

日本での進行非小細胞肺癌に対する4群比較試験(FACS)の最終結果が明らかに

 進行非小細胞肺癌に対して、白金製剤を基調とする4つの異なるレジメンの有用性を比較した日本での多施設共同第3相試験(Four-Arm Cooperative Study;FACS)の最終結果が、ORAL PRESENTATION「Lung Cancer I」の中で、国立がんセンター東病院の久保田馨氏により発表された。第1次エンドポイントである1年生存率は、各レジメン間で有意な差は認められなかったものの、第2次エンドポイントのQOLでは、他との有意差が認められたレジメンがあった。

 進行非小細胞肺癌に対しては現在、シスプラチン(CDDP)あるいはカルボプラチン(CBDCA)の白金製剤を基調とする2剤併用療法が標準治療とされているが、1990年代にイリノテカン(CPT-11)やパクリタキセル(PTX)、ビノレルビン(VNR)、ゲムシタビン(GEM)などの新規抗癌剤が開発され、これらのうちどの薬剤を白金製剤と組み合わせるのがベストかについては、これまで明確なエビデンスはなかった。

 この試験では、進行非小細胞肺癌患者602例が登録された。日本で標準とされるCPT-11(60mg/m2、第1、8、15日)とCDDP(80mg/m2、第1日)の4週ごとの併用(IP群)をコントロール・アームとして、PTX(200mg/m2、第1日)+CBDCA(AUC6、第1日)の3週ごとの併用(TC群)、GEM(1000mg/m2、第1、8日)+CDDP(80mg/m2、第1日)の3週ごとの併用(GP群)、VNR(25mg/m2、第1、8日)+CDDP(80mg/m2、第1日)の3週ごとの併用(NP群)−−の4つの群にランダムに割り付けられた。

 その結果、第1次エンドポイントである1年生存率は、IP群59.2%、TC群51.0%、GP群59.6%、NP群48.3%と、IP群とGP群の生存曲線が他の2つの群に比べ上回っていたが、各群間で有意な差は見いだされなかった。第2次エンドポイントの奏効率は、IP群31.0%、TC群32.4%、GP群30.1%、NP群33.1%とほぼ同等だった。

 しかしながら、有害事象のプロファイルは各群間で大きく異なっていた。グレード3以上の好中球減少の発現率はGP群で62.9%と、80%以上だった他群に比べて最も低かったが、グレード3以上の血小板減少はGP群で35.1%と最も高かった。グレード2以上の感覚性神経障害はTC群で23%と、他群が0〜1%だったのに対し顕著に高かった。グレード2以上の悪心/下痢は、IP群60.5/48.3%と最も高く、GP群57.6/5.3%、NP群47.3/8.2%、TC群で24.3/4.7%と最も少なかった。

 第2次エンドポイントの「癌薬物療法におけるQOL調査票」(QOL-ACD)を用いたQOLの経時的評価では、治療開始後の身体面のドメインに関して、TC群、GP群、NP群の3つの群が、コントロール・アームのIP群に対してそれぞれ有意に優れる傾向が認められた。
(大滝隆行、日経メディカル

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