2004.06.08

【ASCO2004ダイレクト】 初期非小細胞肺癌の術後補助療法にビノレルビン+シスプラチンで5年生存率が70%に向上 

 ステージ1/2の初期非小細胞肺癌の術後補助療法についての第3相無作為化比較試験で、ビノレルビンとシスプラチンの2剤併用療法が標準ケアに対し、5年生存率で69%対48%と大幅な向上を示す好結果が得られた。最新報告(レイトブレーキングアブストラクト)にも採用された本報告は、6月6日午前に行われた一般口演「肺癌I」でカナダAlberta大学のTimothy Winton氏が発表した。

 Winton氏らの研究グループは、1994〜2001年にかけてステージ1〜2の初期肺癌切除後の患者482人を無作為に2群に分け、治療群に対しては、ビノレルビン(25mg/m2、週1回×16週)とシスプラチン(50mg/m2、4週間の1日目と8日目投与を4回)を投与、対照群に対しては、抗癌剤投与なしの標準的ケアを施した。

 追跡の結果、治療群は対照群に対して、生存期間、非再発生存期間のいずれについても大幅な向上が見られた。対照群の生存期間の中央値は73カ月だったのに対して治療群では94カ月と有意に長かった。治療群の死亡リスクは30%低かった。5年生存率では、対照群の54%に対して69%と統計的有意に長かった。非再発生存期間でも、対照群の中央値が46.7カ月だったのに対して治療群は未到達で有意に長く、死亡リスクは39%低かった。5年非再発生存率は対照群の48%に対して61%でこちらも有意に延長した。

 治療群における主な副作用は血液毒性で、73%にグレード3以上の白血球減少が見られた。その他の副作用では疲労、吐き気、食欲低下が5割以上に見られた。開始当初、治療群にはビノレルビンを30mg/m2投与したが白血球減少が著しく、レジメンが変更された。治療サイクルの中央値は3回で、主として白血球減少のため、治療群のすべての患者で投与量の低減、または投与延期が必要だった。

 初期非小細胞肺癌の術後補助療法で第3世代抗癌剤とプラチナ剤の併用療法に対する無作為化比較試験(RCT)で生存期間と非再発生存期間の延長が認められたのは初めて。Winton氏は「非小細胞肺癌における術後補助療法で本研究に見られる好成績は大きな前進であり、標準治療法変更の必要性を示唆している」としている。ビノレルビンはフランスのPierre Fabre Medicament社が創製した抗悪性腫瘍薬で、日本では協和醗酵が1999年3月に非小細胞肺癌の治療薬として承認を受けている。(中沢真也)

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