2004.06.08

ホルモン不応性前立腺癌へのドセタキセル投与、生存期間が2カ月延長し死亡リスクは2割減

 進行性ホルモン不応性前立腺癌に対するドセタキセル(一般名、商品名はタキソテール)投与についての治験第3相で、生存期間を2カ月延長し、死亡リスクを20%引き下げる効果があるという結果が出た。これは、米Southwest Oncology Group(SWOG)による研究結果で、6月7日のプレナリーセッションで、米New York Presbyterian HospitalのDaniel P. Petrylak氏が報告した。ホルモン不応性前立腺癌への化学療法が、生存率を改善することを示した研究結果は、今回の米国臨床癌学会で発表された米Johns Hopkins大学のMario A. Eisenberger氏らの結果に並んで初めて。

 SWOGは、進行性ホルモン不応性前立腺癌の患者770人を無作為に2群に分け、一方にはドセタキセルとエストラムスチンを、もう一方にはメトキサントロンとプレドニゾンを投与した。ドセタキセル群のレジメンは、ドセタキセル60mg/m2の毎3週間投与と、エストラムスチン280mgの1日3回5日間投与。メトキサントロン群のレジメンは、メトキサントロン12mg/m2の毎3週間投与とプレドニゾン5mgの1日2回毎日の投与だった。それぞれ3週間サイクルを、最大12回、またはメトキサントロン投与量の累計が144mg/m2になるまで繰り返した。

 その結果、メトキサントロン群の生存期間の中央値は16カ月だったのに対し、ドセタキセル群の生存期間の中央値は18カ月と、2カ月の差がみられた。また、ドセタキセル群の死亡リスクは、メトキサントロン群に比べ、20%低下した(ハザード比0.80;95%信頼区間0.67〜0.97;p=0.01)。

 また、病気が進行するまでの期間の中央値についても、メトキサントロン群が3カ月だったのに対し、ドセタキセル群は6カ月と長かった。

 一方、重い副作用の発症率については、メトキサントロン群が34%だったのに対し、ドセタキセル群は54%と高く、主に胃腸と心血管に関する副作用の率が高かった。副作用による死亡は、メトキサトロン群が4人でドセタキセル群は7人だったが、有意差はなかった。

 SWOGはこの結果を受けて、ドセタキセルによる化学療法はホルモン不応性前立腺癌の第一選択治療法になるべきだとしている。
(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. インフルエンザの早い流行で浮かぶ5つの懸念 リポート◎AH3先行、低年齢でAH1pdmも、外来での重症化… FBシェア数:188
  2. 味方ゼロ? 誰にも言えない病院経営の修羅場 裴 英洙の「今のままでいいんですか?」 FBシェア数:147
  3. インフルエンザ流行入り、A香港型が中心 寄稿◎2016/17シーズンのインフルエンザ診療の要点 FBシェア数:67
  4. 男性医師は何歳で結婚すべきか、ゆるく考えた 独身外科医のこじらせ恋愛論 FBシェア数:158
  5. 心不全による下肢浮腫に悩む87歳女性への対応 青島周一の「これで解決!ポリファーマシー」 FBシェア数:31
  6. わいせつ容疑の外科医、初公判で無罪を主張 「乳腺科医のプライドにかけて無罪を主張します」 FBシェア数:660
  7. ピコ太郎はどこまで世界に通用しているのか? 安部正敏の「肌と皮膚の隅で」 FBシェア数:1
  8. 開業日未定でも開業スタッフ確保の秘術 原田文子の「レッツ ENJOY ライフ」 FBシェア数:93
  9. 梅毒の流行が止まらず、11カ月で4000人を突破 パンデミックに挑む:トピックス FBシェア数:381
  10. 「スマホ老眼」を放置すると近視になる! 記者の眼 FBシェア数:97