2004.06.08

【再掲】「高用量イマチニブ・大量化学療法併用」はPh+ ALLで96%の完全緩解

 強化化学療法にconcurrentのイマチニブ600mgを加えると、成人急性リンパ性白血病(ALL)で96%という完全緩解(CR)率が得られることが、日本成人白血病研究グループ(JALSG)の研究で明らかになった。本研究は予後への影響を検討するものだが、中間報告として6月7日のポスターセッションにて発表され、JALSGを代表して東京慈恵会医科大学の薄井紀子氏が報告した。

 JALSG「IPDOCMAプロトコール」と名付けられたこの検討では、15〜64歳で治療歴のないPh+、bcr-abl融合遺伝子(bcr-abl)陽性例に対し、強化化学併用療法による緩解導入、地固め、維持と平行してイマチニブ600mg/日を投与した。緩解導入療法にはシクロフォスファミド、ダウノルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロンを用い、地固め療法はメソトレキセート、シタラビン、メチルプレドニゾロン、維持療法はビンクリスチンとプレドニゾロンを用いた。また同種移植が可能なドナーがいる場合、造血幹細胞移植(HSCT)が推奨されていた。

 現時点では24例が登録されており、23例(96%)でCRが得られている。ALLに対するJALSGのCR率としては最高の数字だという。また血中のbcr-abl RNAは18例(82%)で完全消失していた。これらCRが得られた23例中4例は、年齢・ドナーの関係でその後もHSCTを受けられず、イマチニブ+維持療法のみを継続しているが、中央値11.5カ月の観察期間においてこれら4例は全例生存しており、3例が死亡したHSCT追加群よりも有意(p=0.001)に良好だった。

 なお、緩解導入療法中にgrad3以上の非血液学的毒性が見られた場合、また緩解導入後にgrade3以上の血液学的毒性あるいはgrade2以上の非血液学的毒性が認められた場合、イマチニブの用量を調節するように指示した結果、コントロールできない非血液学的毒性は認められなかった。血液学的毒性に関しては、多数例がG-CSFを投与され、また必要に応じ血小板輸血を行っていたため、70%以上の患者で、イマチニブ・化学療法の用量調節は必要なかった。

 Ph+ALLはひとたび緩解しても再発しやすく、これまでのJALSG-ALLの検討では(87、90)では2年生存率は0%である。しかし本療法ではかつてない高CR率が得られ、またbcr-abl消失率も高く、さらに毒性の増強は認められなかったため、薄井氏は今後の生命予後への影響を見守りたいとしている。

■ 訂正 ■
 「BCR-ABL」と表記しましたが「bcr-abl」に改めました。

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