2004.06.08

日本人の消化管間質腫瘍に対してもイマチニブの有用性を確認

 BCR-ABL、c-kit、PDGFRチロシンキナーゼの選択的阻害薬であるイマチニブはKIT陽性の消化管間質腫瘍(GIST)に対して有効性を示し、すでに欧米においては臨床応用がさかんである(日本でも2003年7月に承認)。国立がんセンター東病院の土井俊彦氏らは、日本人のGISTを対象にイマチニブの効果について検討する多施設共同の臨床第2相臨床試験を実施、そのフォローアップ期間1年における成績を報告した。それによると、イマチニブは400mg/日または600mg/日投与群のどちらでも疾患コントロール率90%以上を示し、副作用もgrade1、2の軽度のものが大多数を占めるなど、日本人のGISTに対しても満足すべき有効性と安全性を示すことが確認されたという。

 臨床第2相臨床試験の対象は、KIT陽性で切除不能かつ/または転移性のGIST全74例。腫瘍は計測可能で、パフォーマンスステイタス(ECOGによる)は0-2、適切な臓器機能を有し、2カ月月以上の延命効果を期待し得るものを適格例とした。イマチニブは400mg/日(28例)または600mg/日(46例)を投与し、両群とも十分な効果が認められない場合は最大800mg/日まで増量した。有効性はSWOGのクライテリアにて判定、安全性に関してはNCI-CTC v2.0により評価した。

 74例の有効性判定の結果は、PR50例(67.6%)、SD21例(28.4%)、PD1例(1.4%)、不明2例(2.7%)で、SD以上の疾患コントロール率は96%であった。PR症例の割合は400mg/日投与群で16/28例(57.1%)、600mg/日投与群で34/46例(73.9%)と後者で高かったが、統計的には有意な差を見出すには至らなかった。イマチニブに対する反応が現れるまでの期間や、反応の持続期間に関しても、400mg/日より600mg/日投与群のほうがより速く、より長かったが、やはり有意差を見出すまでには至らなかった。

 イマチニブ投与に関連すると思われる副作用の主なものは嘔吐、下痢、発疹、浮腫などであったが、大多数はgrade1か2の軽度のものであった。Grade3、4の副作用としては血液学的毒性が19%、腫瘍からの出血が4.1%に見られた。重篤な副作用はイマチニブ投与の6カ月後までに出現することが多く、それ以降は少なかった。なお、副作用は400mg/日に比べて600mg/日投与群で多かったが、いずれの群でもイマチニブの耐容性は良好であった。
 
 イマチニブの日本人のGISTに対する投与量としては、現在のところ400mg/日だけが承認されている。これは今回の臨床第2相臨床試験の成績で示されたように、400mg/日と600mg/投与群で有効性に統計的有意差が見出されないにもかかわらず、副作用の発現は後者で多いためと思われる。しかし、土井氏によれば「400mg/日に比べて600mg/日投与群では反応性の高いことは明らかであり、さらに長期フォローアップしていくことで統計的有意差が示される可能性はある」という。「イマチニブのGISTに対する長期の有効性と安全性、さらに用量依存性のプロファイルを明らかにしていく目的で、臨床第2相臨床試験はさらに続行される必要があるだろう」と土井氏は締めくくった。

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