2004.06.08

非転移性前立腺癌へのGnRH作用薬によるホルモン療法で骨折リスクが約4割増大

 非転移性前立腺癌に対するゴナドロピン放出ホルモン(GnRH)作用薬によるホルモン療法では、骨折リスクが約4割増大するようだ。6月5日の一般口演で、米Massachusetts General HospitalのMatthew R. Smith氏が報告した。

 同研究グループは、1991〜2001年までのメディケア(米国の高齢者向け公的医療保険)のデータの中から、非転移性前立腺癌の人で、92〜94年に新たにGnRH作用薬による治療を始めた、3887人を抽出した。また対照群として、非転移性前立腺癌でGnRH作用薬による治療を行わなかった7774人を、年齢や人種などに合わせて無作為に抽出した。

 両グループについて、1994〜2001年の骨折の発症率について調べたところ、対照群では56%だったのに対し、GnRH群では83%にも上り、GnRH群の骨折リスクは対照群に比べ、1.4倍になることがわかった(ハザード比1.4;95%信頼区間:1.16〜1.70;p<0.001)。

 また、骨折リスクの増大はGnRH作用薬の投与期間が長いほど著しく、投与期間が3年超の人は、1年未満の人に比べ、同リスクが1.5倍になることがわかった(ハザード比1.5;95%信頼区間:1.17〜1.93;p<0.001)。

 Smith氏は、前立腺癌の患者に対してGnRH作用薬を投与する際には、ビスホスホネートを合わせて投与するか、骨密度を定期的に測定するといった、骨折の予防策が必要だ、と結論付けた。

 なお、米国では年間50万人以上の前立腺癌の男性が、GnRH作用薬を服用しているという。
(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

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