2004.06.07

食用のフキ、アレルギー原因物質の放出を抑える  花粉症を抑える新素材として、オリザ油化が供給開始

 サプリメントや化粧品の原料メーカー、オリザ油化(愛知県一宮市)は、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を抑える新素材「フキエキス」の販売を開始した。

 原料は、愛知県産の食用のフキ(学名Petasites japonicus、英名Japanese Butterbur)。地上部分に含まれる香り成分のフキノン、フキノール酸、クロロゲン酸といったポリフェノール類が有効成分と考えられている。

 同社が行った試験管レベルの研究によると、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンなどが体内で放出されるのを抑える「脱顆粒抑制作用」は、抗アレルギーをもつ甜茶(てんちゃ)エキスと同等だった。

 特に、鼻詰まりの原因となるロイコトリエンの放出を抑制する作用は、甜茶より強かった。

 さらに、症状の悪化や慢性化につながる伝達物質、TNF-αの産生を抑制する効果も確認された。

 今年の花粉症シーズンには、10人の花粉症患者を対象に臨床試験を実施。フキエキスを1日250mg、花粉が本格的に飛び始める約2週間前の2月12日から4週間のみ続けたところ、摂取期間中は、くしゃみや臭覚の鈍化、目のかゆみといった症状が、和らぐ傾向にあった。

 また、アレルギー反応が起きているときに増える白血球の一種、好酸球の活動が抑えられるなど、血液検査からもアレルギー反応が抑えられる傾向にあることが確認された。

 とはいえ今シーズンは、例年になく花粉の飛散量が少なかった。効果を確認するには、来シーズン以降も臨床データを集積する必要がある。

 同社では、「原料の購入先からの反応をみて、来年以降の臨床試験を検討する」(企画開発部)意向だ。

 同社は、国産の野菜や果物に含まれる抗アレルギー成分について、10数年前に研究を開始、活性の高い成分を持つフキに着目し、研究を進めていたという。

 そうした中、日本のフキとは品種の異なる西洋フキは「抗アレルギー薬と同等の効果を持ちながら、副作用の眠気を起こしにくい」とする研究報告が、医学雑誌「British Medical Journal」(328,1-4,2002)に掲載された。日本では、西洋フキのサプリメントが2003年に登場して注目を集めている。

 西洋フキは食用に用いられず、サプリメントに用いるのも地上部ではなく根の部分だが、香り成分のペタシンがロイコトリエンの働きを抑えると考えられている。

 オリザ油化のフキエキスとは、原料のフキの品種も抽出部位も異なるが、主にロイコトリエンに作用する点で共通している。

 甜茶やシソ、ネトルといった代表的な花粉症対策サプリメント成分は、ロイコトリエンよりもヒスタミンの働きを抑える作用が強いとされる。これらと作用メカニズムの違うフキエキスを組み合わせれば、より効果的なサプリメントを作れるかもしれない。(小山千穂)

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