2004.06.07

ラロキシフェンが閉経後骨粗しょう症の女性の浸潤性乳癌リスクを半分以下に、改めて長期試験で確認

 ラロキシフェンが、閉経後で骨粗しょう症の女性に対し、浸潤性乳癌の発症リスクを59%減らす効果があるとする、8年間の研究結果が報告された。6月6日の一般口演で、米Cancer Institute Medical GroupのSilvana Martino氏が報告した。この研究は、同研究グループが4年間に渡って行った研究「Multiple Outcomes of Raloxifene」(MORE)を、さらに4年間延長し、予防効果に併せて長期投与の安全性についても調べたもので、「Continuing Outcomes Relevant to Evista」(CORE)と呼ばれている。MOREでも同様な予防効果は示されたが、COREによって、更に長期の予防効果が確認できたことになる。

 MOREとCOREは、無作為化プラセボ対照二重盲試験で、被験者5213人のうち、3510人にラロキシフェンを投与し、1703人にプラセボを投与した。ラロキシフェンの投与量は、MOREでは1日60mgまたは120mg、COREでは1日60mgだった。またMOREでラロキシフェンを投与した人には、そのままCOREでも投与し続け、プラセボを投与した人もまた、プラセボを投与し続けた。

 その結果、浸潤性乳癌を発症した人はプラセボ群中28人(1.6%)だったのに対し、ラロキシフェン群では24人(0.7%)に留まった。ラロキシフェン投与群では、プラセボ群に比べ、浸潤性乳癌発症リスクが59%減少することがわかった(ハザード比0.41;95%信頼区間:0.24〜0.71)。さらに浸潤性乳癌の中でも、エストロゲン受容体陽性のものについて調べてみると、ラロキシフェン投与群の発症リスクは、プラセボ群より66%も減少するという結果が出た(ハザード比0.34;95%信頼区間:0.18〜0.66)。なお、エストロゲン受容体陰性の浸潤性乳癌の発症率については、両群で差はなかった。

 また、ラロキシフェン群はプラセボ群に比べ、生命を脅かす危険性のある、足や肺の凝血塊を発症する傾向がみられたものの、統計的有意差はなかったとしている。さらに、長期ラロキシフェン投与によって、タモキシフェンにみられる子宮癌リスクの増大は認められなかったという。

 Martino氏は、閉経後の女性に対し、乳癌予防を目的にしたラロキシフェン投与を勧めるのは時期尚早だとしながらも、「今回の研究結果は、選択的エストロゲン受容体の調節薬が、乳癌リスクに対して、劇的なインパクトを与え得ることを示唆するエビデンスである」と話している。
(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

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