2004.06.06

ゲムシタビンとの併用がタキサン単独に比べ転移性乳癌患者の生存期間を延長

 新規抗癌剤ゲムシタビン(商品名ジェムザール)とパクリタキセル(タキソール)の併用療法が、パクリタキセル単独療法に比べ、転移性乳癌患者の生存期間を有意に延長させるとする第3相試験の結果が、6月5日のORALPRESENTATION「Breast CancerII」で発表された。この結果を発表したLoyola大学メディカルセンター(米国)のK.Albain氏は、「ゲムシタビンとパクリタキセルの併用療法はタキサン系単剤に比べ、総生存率を向上させる非常に有望な治療法である。今後、ゲムシタビンとの併用療法が転移性乳癌患者の新しい標準的な第一次レジメンとなるだろう」と語った。

 この試験では、過去にアントラサイクリン系抗癌剤の治療歴のある転移性乳癌患者529例を、ゲムシタビンとパクリタキセルを併用した群(267例)と、パクリタキセル単独群(262例)にランダムに分け、追跡した(追跡期間中央値15.6カ月)。

 その結果、第1次エンドポイントである生存期間が、ゲムシタビン併用群ではパクリタキセル単独群に比べ有意に延長した(生存期間の中央値18.5カ月vs15.8カ月、p=0.018)。生存曲線は試験開始直後からゲムシタビン併用群が上回った格好で推移した。第2次エンドポイントの腫瘍増殖までの期間(TTP)も、併用群は5.2カ月と、単独群(2.9カ月)よりも勝っていた(p<0.0001)。副作用の発現に関しては、血液学的な副作用の頻度は両群で差がなく、下痢などの消化器系副作用の頻度も両群ともわずかで、差もみられなかった。

 これまで、アントラサイクリン系抗癌剤に抵抗性を示した乳癌に対するセカンドラインとしては、ドセタキセルあるいはパクリタキセルのタキサン系薬による化学療法が確立されてきた。この結果を基に、今年5月、米国FDA(食品医薬品局)は、ゲムシタビンとパクリタキセルの併用療法を転移性乳癌の一次治療薬として承認した。

 ゲムシタビンは核酸の誘導体で、癌細胞のDNA生成・複製のプロセスを妨げ、腫瘍の成長を抑制する働きがある。

 米国では、局所進行性または転移性膵癌の治療薬として1996年に承認され、98年には白金製剤シスプラチンとの併用で、非小細胞肺癌の1次治療薬として承認されている。(大滝隆行、日経メディカル

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