2004.06.06

経口抗癌剤(UFT)による乳癌術後補助療法が標準治療(CMF)と同等の効果

 腋窩リンパ節転移陽性の乳癌術後患者(ステージ1,2,3A)を対象に、フッ化ピリミジン系経口抗癌剤(UFT)による補助療法と標準的補助療法(CMF;シクロホスファミド、メトトレキセート、5-FU)とを比較した日本での多施設ランダム化比較試験(RCT)の結果が、6月5日のポスターセッションで発表された。

 エンドポイントである無再発生存率、総生存率に関して、両群に有意差は見いだされず、UFTによる乳癌術後補助療法が標準的補助療法と同等の予後改善効果をもたらすことが明らかになった。UFT群での食欲不振や吐き気、脱毛などの有害事象はCMF群に比べて有意に少なかった。これまで日本では、予後に関するエビデンスが乏しいにもかかわらず、フッ化ピリミジン系経口抗癌剤が術後化学療法として多用されている実態が批判されていた。この結果を発表した大阪府立成人病センター外科の稲治英生氏は、「経口抗癌剤を使うことに関してはうしろめたい気持ちがあったが、最近、肺癌術後患者でも経口抗癌剤の有用性で認められており、今回の結果で、経口抗癌剤による術後補助療法の位置付けが見直されるだろう」と語った。

 このRCTでは、腋窩リンパ節転移陽性の乳癌術後患者(ステージ1,2,3A)350人を、シクロホスファミド、メトトレキセート、フルオロウラシル(5-FU)による化学療法にタモキシフェンを加えた群(173例)と、フッ化ピリミジン系経口抗癌剤(UFT)による化学療法にタモキシフェンを加えた群(177例)にランダムに分け、3年間以上追跡した。

 その結果、第1次エンドポイントである3年無再発生存率はCMF群とUFT群とで有意差が見られなかった(82.4%対81.8%、p=0.92)。第2次エンドポイントの3年総生存率も、CMF群93.9%、UFT群93.3%と同等で、生存曲線は試験開始直後から両群が重なる格好で推移した。有害事象は、白血球減少や肝機能異常が両群で30%以上みられたが、白血球減少(82.7%対33.3%)、貧血(31.8%対7.3%)、食欲不振(49.7%対22.6%)、悪心・嘔吐(62.4%対22.6%)、脱毛(39.3対2.3%)に関してはUFT群で有意に少なかった。
(大滝隆行、日経メディカル

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