2004.06.06
進行期低悪性度非ホジキンリンパ腫 化学療法後のリツキシマブ投与で進行を遅らせる効果
低悪性度非ホジキンリンパ腫のステージ3と4の患者に対し、化学療法を行った後のリツキシマブ(商品名:リツキサン)による維持療法についての第3相試験で、病気の進行を遅らせる効果があるとする研究結果が出た。6月5日の一般口演で、米New York大学のHoward S. Hochster氏らの研究グループ、Eastern Cooperative Oncology Groupが報告したもの。
同研究グループは、ステージ3と4の濾胞性または小リンパ球性非ホジキンリンパ腫の患者に対し、標準的なレジメンであるCVP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン)化学療法を行った。なお、被験者はそれ以前に非ホジキンリンパ腫に対する治療を受けたことはなかった。
その後、被験者を無作為に2群に分け、一方のグループに対してのみ、リツキシマブ375mg/m2を、6カ月毎に4回、2年間に渡り投与した。その結果、化学療法を終えて2年後の時点で、病気の進行が認められなかった人の割合は、リツキシマブを投与しなかった対照群(149人)では42%だったのに対し、リツキシマブ群(154人)では74%と大幅に上回った。さらに4年後で見てみると、同割合は対照群で34%、リツキシマブ群では58%だった。なお、被験者のリンパ腫の型や化学療法後に残った腫瘍の量、化学療法前の腫瘍の量にかかわらず、同様な差が見られたという。
なお今回の研究では、CVP化学療法後のリツキシマブの維持療法による、生存率の改善はみられなかった。この点についてHochster氏は、進行の遅い非ホジキンリンパ腫を対象としているため、さらに5年ほど長く患者を追跡することが、生存率の改善を見極めるためには必要なのかもしれない、としている。(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)