2004.06.06

リツキシマブを加えた化学療法 60歳未満の低リスクびまん性B大細胞非ホジキンリンパ腫の2年生存率が95%に

 60歳以下の低リスクびまん性B大細胞非ホジキンリンパ腫(DLBCL)の患者に対し、従来の化学療法レジメンに加え、リツキシマブ(商品名:リツキサン)を投与することで、約2年後の生存率が10%改善し、95%に達することを示す研究結果が出た。これは、ドイツSaarland大学のMichael G.M.Pfreudschuh氏らが行ったリツキシマブの治験第3相の結果で、6月5日、ニューオリンズで行われている米国臨床癌学会(ASCO)で発表された。これまでに、リツキシマブが60歳超のDLBCL患者の生存率を上げることを示す研究結果はあったが、60歳未満低リスク患者に対しても生存率を上げることを示す結果は初めて。

 この研究は、ドイツや英国など18カ国で、18〜60歳の低リスクDLBCLで未治療の患者824人に対して行った。研究グループは、被験者を無作為に2群に分け、一方には従来の化学療法レジメンである多剤併用CHOPに似たレジメン(シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン、ドキソルビシン、エトポシド)を投与し、もう一方にはそれに加えてリツキシマブ375mg/m2をそれぞれ6回投与した。追跡期間の中央値は24カ月だった。

 その結果、追跡期間が終わった時点で生存率を比較したところ、対照群は85%(326人中278人)だったのに対し、リツキシマブ群は95%(326人中310人)に上った。また、病気の進行、治療への不完全な反応、再発や死亡のいずれもが認められなかった人の割合は、対照群で58%だったのに対し、リツキシマブ群では81%と大幅に上まった。また、治療に対する完全寛解率も、対照群が65%なのに対し、リツキシマブ群では85%と高かった。

 DLBCLは中悪性度リンパ腫。またリツキシマブはモノクロナール抗体で、B細胞中にあるCD20抗原に結合する作用がある。Saarland大学のPfreudschuh氏は、「多剤併用CHOPに似たレジメンにリツキシマブを加えたレジメンは、おそらく、低リスクDLBCL患者に対する標準的な治療法として広く受け入れられるだろう」と指摘している。
(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 医学書を安く買う方法・高く売る方法 Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:24
  2. 78歳女性。主訴:激しい胸痛 総合内科BASICドリル FBシェア数:173
  3. 医療者の「献身的な労働」に甘えていませんか? 裴 英洙の「今のままでいいんですか?」 FBシェア数:146
  4. ケアマネがショックを受けた医師からの一言 医師が知らない介護の話 FBシェア数:399
  5. ガイドラインではエコー、現場では… 画像診断大国の若手医師へ FBシェア数:160
  6. 終末期にどこまで抗菌薬を使用すべきか シリーズ◎在宅医療における感染対策(4) FBシェア数:606
  7. 「これ以上は無益」と言えない気持ちも伝えよう 国立病院機構東京医療センター倫理サポートチームの尾藤誠司氏に聞く FBシェア数:285
  8. いまの医師の好みはベンツよりハイブリッド車 医師1000人に聞きました FBシェア数:207
  9. 認知症700万人時代、数少ない収入アップの道 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:23
  10. 医師達はいかにして検察を騙してきたか 池田正行の「氾濫する思考停止のワナ」 FBシェア数:1