2004.06.03

【著者紹介】「お医者さんも戸惑う健康情報を見抜く」の小内亨氏 健康情報を読み解く力をつけることが大事

 「お医者さんも戸惑う健康情報」の著者である小内亨氏(写真)に、久しぶりに会いにでかけた。群馬県伊勢崎市で開業する小内氏は、MedWaveが誕生する前、すでに1998年から「健康情報の読み方」というホームページを立ち上げていた。検索サイトのGoogleで「健康情報」のキーワードで検索すると一番上に表示されることからも、その人気ぶりは分かろうというものだ。でも、なぜ「健康情報の読み方」だったのか。

 今回発行した「お医者さんも戸惑う健康情報」の「プロローグ」に、その答えを探ることができる。小内氏はこう書いている。

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 皆さんは今、健康でしょうか?何らかの病気を持っている方も多いでしょうし、身近に病気を持つ人がいらっしゃる場合もあるでしょう。健康や病気に対する関心は今までになく高まっており、健康や医療に関する情報に皆が敏感になっています。それでは、マスメディアなどから提供される健康情報をそのまま信用してよいのでしょうか?

 このような混沌とした情報の中から、どの情報が正しいのかを指し示すのが医療関係者の役目といえるのですが、彼(彼女)らの関心はまだまだ高いとはいえません。あるいは、医療関係者でさえもどのように対処したらよいのか戸惑っているのかもしれません。

 MedWaveにコラムを書くにあたり考えてきたことは、患者さんや一般の人と医療関係者とを結びつけるようなテーマは何かということです。私は1997年にインターネット上に「健康情報の読み方」というホームページを立ち上げました。以来、いろいろな方々から健康情報に関する質問をいただいたり、取材依頼が来るようになりました。その経験を生かし、このコラムでは最近話題となっているテーマについて一つひとつ文献を調べ、その根拠を示しつつ、問題点を指摘してきました。コラムを読まれるとおわかりになるかと思いますが、巷にあふれる健康情報の科学的根拠はあいまいで、一般の人どころか、マスメディアさえもいいかげんな情報に踊らされていることに気がつきます。

 今まで書いてきた私のコラムが、玉石混淆の健康情報をどのように読み解くか、皆さんにとって参考となることを期待しています。

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 そもそもが「肥満診療」を専門とする小内氏。特にダイエットに関する情報については敏感だった。「科学的根拠はあいまい」という印象は、巷にあふれるダイエット情報に触れるたびに深まっていった。

 小内氏がホームページを開設したのは、ちょうど開設ラッシュのころだった。インターネット上には、「科学的根拠はあいまい」な健康情報が溢れ出していた。

 一方で医療関係者が病気のことを解説するページがあちこちに立ち上がった。同じものを目指しても特色がなくなるとみた小内氏。「科学的根拠はあいまいな健康情報」を読み解くためのホームページを開設することにしたのは、自然の成り行きだった。

 こんなこともあった。糖尿病の患者さんが、「糖尿病に効くと言われて健康機器を買った」という。糖尿病の診療では、患者さんの生活指導も多くの部分を占める。そのために、生活状況を患者さんとともに確認することも少なくない。

 糖尿病に効くなどと言って健康機器を売る人がいることに驚くが、取扱説明書などにはどこにもそんなことは書いていない。それなのに買ってしまう患者さんがいる。

 「健康情報を読み解く力をつけることが大事」。小内氏の思いは、このような日常診療の中で積み重なり、凝縮していったものだった。

 患者さんに向き合う医療関係者の方には、ぜひご一読いただきたいと願う。(三和護)

■ ご案内 ■
・栄養と健康の専門知識がよくわかる「食生活」(全国地区衛生組織連合)の6月号で、BookRackのコーナーで紹介されました。
・「毎日ライフ」の6月号で、「著者にきく」に小内氏が登場しています。
・「Q&Aでわかる肥満と糖尿病」(丹水社、5・6号)で、自治医科大学名誉教授の金沢康徳氏による書評が掲載されています。
・「がんを治す完全ガイド」(6月号)の「今月の本棚」に掲載されました。

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