2004.06.02

【日本医科器械学会速報】 医療用具の添付文書、保管体制の面で6割に不備

 2003年から義務付けられた医療用具の添付文書だが、その保管体制に不備がある医療機関が6割にも達することが明らかになった。閲覧体制の面でも5割に、医療機器に関する安全教育の定期開催と購入時の講習の両方を満足する施設は3割に留まっていることも分かった。5月27日、名城大学大学院都市情報学研究科の酒井順哉氏(写真)が一般演題で発表した。

 酒井氏らの研究グループは、医療機関で医療用具の添付文書が医療の安全面に十分活用されているのかどうか確認する目的で研究を行った。ポイントは、添付文書の保管体制、添付文書の閲覧体制、添付文書の記載内容の把握、医療機器の安全教育の実施状況など。

 研究グループは、一般病床300床以上の医療機関935施設を対象に、アンケート調査を実施。診療科、看護部、臨床工学部、手術部、資材部(材料部、事務部など)の5部門ごとに、添付文書の保管や把握実態を明らかにした。

 有効回答は、2004年2月時点で、366施設(39.1%)で、部門別では1302件から回答があった。部門別では、診療科が288件(回答施設の78.7%、以下同)、看護部が334件(91.3%)、ME室が244件(66.6%)、手術部が188施設(51.4%)、資材部が248件(67.8%)などだった。

 その結果、医薬品・医療機器・医療材料ごとに添付文書の保管状況をまとめたところ、「すべて保管している」と回答した部門は、医薬品で43.0%(404件、n=940)、医療機器で36.5%(411件、n=1125)、医療材料で19.2%(201件、n=1049)だった。

 閲覧体制については、「閲覧完備」と回答した部門は、医薬品で66.1%(614件、n=929)、医療機器で55.8%(607件、n=1087)、医療材料で49.0%(491、n=1002)だった。

 部門ごとに添付文書をどれだけの人が把握しているのか尋ねた項目では、「半数以下」と回答した部門が、たとえば医療機器では、37.8%(409件、n=1082)と決して少なくはなかった。

 病院における医療機器の安全教育(講習会や勉強会など)の実施状況については、「購入時および定期講習の実施」と回答した部門は34.2%(415件、n=1214)で、「新規購入時のみ」が40.9%(496件)、「定期講習会のみ」が11.4%(139件)だった。「未実施」との回答は、13.5%(164件)に達した。

 医療機器の安全使用という意味では、未受講者への対策が必要となるが、何らかの対策を実施していると回答した部門は、52.7%(574件)とようやく半数を超える程度で、「未対策」の47.3%(516件)と拮抗していた。

 「未対策」を部門別でみると、看護部でが64.3%(200件、n=311)、手術部が65.9%(116件、n=176)と目立っていた。

 酒井氏らはこれらの結果を踏まえ、「添付文書の保管、閲覧、把握状況などは不十分である」と結論付けている。(三和護)

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