2004.05.28

職場のスモーク・ハラスメント調査、上司の「たばこを吸っていいか」に「断りたくても断れない」が6割

 上司に「たばこを吸っていいか」と聞かれた時に、「断りたくても断れない」と回答した人は6割−−。このような「職場のスモーク・ハラスメント」が少なくない実態が明らかになった。禁煙広報センターが5月26日、調査結果を発表した。5月31日の世界禁煙デーを前に、全国の20歳以上の男性会社員で喫煙者・非喫煙者のそれぞれ300人、合計600人を対象に「職場における喫煙意識」の調査を実施したもの。

 調査によると、たばこが嫌いと答えた非喫煙者は7割以上に上った。また、社内で喫煙してほしくないと回答した非喫煙者は9割に達した。しかし、実際に、上司に対して「吸わないでください」と言ったことがある人は12%、部下に対しては17%しかいなかった。

 「上司に吸わないでほしいと言いたいが言えない」と回答した非喫煙者は41%。その一方で、「部下に吸わないでほしい」と言えなかったのはたったの6%に過ぎなかった。

 喫煙者でも、他人の煙は「非常にいや」(12%)、「いや」(30%)と回答した。しかし、自分のデスクや会議室で喫煙すると答えた喫煙者は、それぞれ17%と18%あった。管理職に限ってみると、デスクで喫煙は24%、会議室で喫煙は22%で、全体より増えていた。

 上司と部下との関係で分析したところ、喫煙者の67%が非喫煙者の上司に対しては遠慮して喫煙を我慢していた。しかし、喫煙者が非喫煙者の部下に対しては「遠慮して喫煙を我慢する」との回答は31%で、ここでも上司と部下の意識の違いが際立っていた。

 調査では職場の環境面も明らかにしている。

 たとえば、労働基準局のガイドラインにある「たばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排出する装置付きの喫煙室」を完備した上での空間分煙対策を実施しているのは18%で、全面禁煙と合わせても36%に過ぎなかった。

 なお、職場が禁煙の場合、宴会などの酒の席やランチでも喫煙を控える人が増え、空間分煙でもランチのときには喫煙を控える人が増えるという結果も得られている。

 この調査結果に対して、職場での喫煙対策を研究している産業医科大学労働衛生工学助教授の大和浩氏は、以下のコメントを発表している。

 「たばこを吸っても良いですかと声を掛けて、了解を得られれば喫煙しても良いと考えるのは大間違いである。上司の喫煙にノーとは言いにくい日本人の習性に根ざした、スモハラ(スモーク・ハラスメント)と言われても仕方がない。職場を全面禁煙にすることは、喫煙者にとって厳しい対策のように思うかも知れない。しかし、たばこをやめようとする人の割合が、分煙よりも高くなることも知られている。職場のたばこ対策が厳しくなれば、職場外でも自分の吐き出す煙に気を遣うようになる。これからは、喫煙者が煙を吐かない方が良いですかと聞けば、非喫煙者はイエスと答えられるようになって欲しい。受動喫煙はまさにスモハラなのだから」。

 調査を実施した禁煙広報センターは、「職場では、人間関係の調和が重視され、特に上司に対する遠慮は大きい。喫煙者の上司は非喫煙者の部下への配慮が望まれる。経営者にも、積極的な喫煙対策の取り組みを期待する」と結んでいる。

 調査はインターネットによるもので、2004年4月17日に実施した。調査対象は、全国の20歳以上の男性会社員で喫煙者300人、非喫煙者300人(内、管理職、非管理職 各150人)。
(三和護)

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