2004.05.19

【糖尿病学会速報】 1型糖尿病患者の心血管死亡、欧米に比べて日本は低い

 若年発症1型糖尿病患者の死亡原因について、日本、米国、フィンランドを比較すると、全死亡に占める心血管死亡の比率では、米国は日本の1.5倍、フィンランドは2倍以上と多く、10万人当たりの年間の心血管死亡数で見ても欧米は日本に比べて2割以上多いことが分かった。5月15日の一般口演「疫学5」のセッションで、東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科の佐野浩斎氏(写真)が報告した。

 佐野氏らの研究グループは、日本、フィンランド、米Pennsylvania州Alleghenies郡で登録された1型糖尿病患者について比較した。1965〜1979年に18歳未満で発症し、診断後1カ月以内にインスリン治療を開始した症例のうち、2次性糖尿病を除外した患者で、日本1408人、フィンランド5126人、米国1061人の計7595人を対象とした。これらの患者について、1995年1月1日現在の生存状況を確認し、カルテ、死亡診断書、病理解剖診断書などで死因を収集した。

 その結果、全死亡に占める心血管死亡の比率は、日本が11.7%だったのに対して、フィンランドは24.5%と2倍を超え、米国も17.5%と約1.5倍と高かった。10万人当たりの年間死亡数では、日本が71人だったのに対し、フィンランドは86人、米国は92人で、日本に比べて2割以上多かった。

 ただし、同じ心血管死亡といっても国によって状況は大きく異なるようだ。「フィンランドでは腎症は全くなく、脳卒中も少ない。ほとんどが心疾患で死亡している。ところが日本では末期腎症に由来する心血管死亡が大部分を占め、脳卒中も少なからずある。国による違いがあるのは明らかだ」(共同演者で東京慈恵会医科大の田嶼尚子氏)という。(中沢真也)

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