2004.05.19

【糖尿病学会速報】 沖縄男性の平均寿命低下はまだ進む? 検診受診者の内臓肥満6割、高血圧5割と高率

 沖縄県は長寿というイメージは残念ながら過去のものだ。都道府県別の平均寿命の順位を見ると、女性は他県を引き離して1位だが、男性は26位に甘んじている。米国型食生活による肥満などが原因とされ、県当局の危機感も強い。本学会では、人間ドックを受診した中高年男性の実に3人に一人がメタボリックシンドローム(MS)に該当するというショッキングな結果が報告された。5月14日午後のポスターセッション「疫学1」で、沖縄県豊見城(とみぐすく)市の豊見城中央病院糖尿病・生活習慣病センターの島袋毅氏が明らかにした。

 島袋氏らの研究グループでは、2003年5月から10月までの間に、同院人間ドックを受診し、希望により空腹時血糖の検査を受けた30〜69歳の3440人(うち男性1920人)を対象とした調査を実施した。

 対象者について、米国高脂血症ガイドラインNCEP ATPIIIに基づいて、以下のうち3項目以上を満たす場合をMSに分類した。内臓肥満(男性は腹囲85cm以上、女性が90cm以上)、高中性脂肪血症(150mg/dl以上)、高血圧(130/85mmHg以上)、低HDL-C血症(男性で40mg/dl未満、女性で50mg/dl未満)、耐糖能以上(空腹時血糖が110mg以上)。

 その結果、男性では、内臓肥満が59.2%(女性では18.1%)と極めて高率だったほか、高血圧も48.4%、高TG血症が39.2%などと、高い比率だった。この結果、MSの定義該当者は、女性では11.4%に過ぎなかったのに対し、男性では31.6%とほぼ3人に一人にのぼった。

 日本人男性におけるMSの頻度を調査した研究としては、北海道端野町、壮瞥町の地域住民を対象とした「端野・壮瞥研究」で、同じNCEP ATPIIIの基準で23.4%という結果が得られている。その結果に比べれば、沖縄男性のMS有病率はかなり高いと言ってよさそうだ。

 発表者の島袋氏は、「人間ドック受診者は健康意識が高いはずなので、一般住民検診ではMSの定義該当者がさらに多い可能性もある」という。沖縄県も、健康日本21に対応して推進している健康増進活動「健康おきなわ2010」で、「沖縄県の長寿を支えているのは高齢者であり、若い世代では長寿が危ぶまれている」と指摘、危機感をあらわにしている。(中沢真也)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. インフルエンザ脳症を疑う3つのポイント インフルエンザ診療Next:トピックス FBシェア数:147
  2. レセプト査定される糖尿病処方、教えます 岩岡秀明の「糖尿病診療のここが知りたい!」 FBシェア数:199
  3. 結核病棟からの脱走劇 倉原優の「こちら呼吸器病棟」 FBシェア数:42
  4. 二次予防ならSGLT2阻害薬が第二選択薬に 特集◎生活習慣病 7つの新常識《7》 FBシェア数:79
  5. 記録が伸びないアスリートに多い内科的疾患 記者の眼 FBシェア数:55
  6. 杏林大病院、診療体制維持での働き方改革に挑戦 シリーズ◎医師の「働き方改革」 FBシェア数:29
  7. 今から区分マンション投資?それは自殺行為です Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:63
  8. あれ・それがどれ?で論文が台無しです! 英文校正者が教える医学論文執筆の極意 FBシェア数:16
  9. アレルギー性鼻炎に世界初の経皮吸収型製剤 最新DIピックアップ FBシェア数:132
  10. 日本一高いアイスクリームに医療費高騰の片鱗を見る Inside Outside FBシェア数:45
医師と医学研究者におすすめの英文校正