2004.05.17

緑茶飲料の次の戦いは、ウーロン茶! ポリフェノール量が多いウーロン茶、伊藤園や日本サンガリアも商品化

 100ml当たりのポリフェノール含有量が100〜170mgと、通常のウーロン茶飲料に比べて約2〜3倍濃いペットボトル入りウーロン茶飲料が相次ぎ登場している。

 伊藤園は、500ml中にポリフェノール480mgを含むペット飲料「濃い味 烏龍茶」を5月17日に発売する。100ml当たりのポリフェノール量は96mgだ。

 一方、日本サンガリアベバレッジカンパニーは、350mlにポリフェノールを600mg含む「一休茶屋 ポリフェノール600烏龍茶」を5月10日に発売した。

 100ml当たりのポリフェノール量は171mg。現在のところ、ポリフェノール量を明記して市販されているウーロン茶飲料の中では、最も高濃度とみられる。

 この「ポリフェノール600烏龍茶」は、同社が4月上旬に発売した「一休茶屋 ポリフェノール500烏龍茶」と同一シリーズの商品。こちらは500ml入り飲料なので、100ml当たりのポリフェノール量は100mgになる。

 これらに先立ち、今年1月に発売されたのが「烏龍茶ポリフェノールでやせ茶います。」。

 ポリフェノール高濃度配合を意図したウーロン茶飲料の先駆けで、500mlにポリフェノール500mgを含有している。発売元のアクアクララジャパン(大阪市北区)は、三井物産の子会社。

 以上の商品を、100ml当たりのポリフェノール含量が多い順にランキングすると次のようになる。

1 「一休茶屋 ポリフェノール600烏龍茶」日本サンガリア(ポリフェノール171mg/100ml)
2 「一休茶屋 ポリフェノール500烏龍茶」日本サンガリア(同100mg/100ml)
2 「烏龍茶ポリフェノールでやせ茶います。」アクアクララジャパン(同100mg/100ml)
4 「濃い味 烏龍茶」伊藤園(同96mg/100ml)

「カテキン」と「重合カテキン」を含むウーロン茶

 ポリフェノールを高濃度配合したウーロン茶が次々に発売されている背景には、「体脂肪を減らす」という茶ポリフェノール効果の知名度が急速に高まったことがある。

 知名度を高める原動力となったのは、ポリフェノールの一種であるカテキンを、350mlに540mg含む花王の緑茶飲料「ヘルシア 緑茶」。体脂肪が気になる方に適したトクホ(特定保健用食品)として大ヒットしている。

 2003年5月末の発売で販路はコンビニ限定、しかも全国展開は2004年2月からにもかかわらず、2004年3月期の年間売り上げ実績は190億円を突破した。2005年3月期は400億円規模を見込む。

 「ヘルシア」の大ヒットを受けて、緑茶飲料ではカテキンを高濃度に含むことを訴求した商品が続々と発売された。高濃度ウーロン茶の登場も、この流れに沿ったものだ。

 実は、緑茶だけでなくウーロン茶にも、カテキンが豊富に含まれている。ウーロン茶が緑茶と同じ種類の茶葉から作られているためだ。

 ただし、加工の過程で、葉に含まれる酸化酵素により、カテキンの重合が進む。ウーロン茶のポリフェノール全体のうち、重合せずに残っているカテキンは半分ほど。つまり、ウーロン茶は単分子のカテキンと、重合したカテキンの、両方を含む。

 「体脂肪を減らす」効果につながるメカニズムは、カテキンと重合カテキンとで異なる。

 カテキンは、肝臓における脂肪酸の燃焼(β酸化)を促進する。この作用は花王の研究グループが確認した。

 重合カテキンにもこの作用があると考えられるが、カテキンの方が体内への吸収率が高いこともあり、β促進効果は、カテキンの方が強力のようだ。

 また、食べた脂肪が消化管で消化・吸収されるのを妨げる効果は、カテキンと重合カテキンの両方にあるが、重合カテキンのほうが効果が高いとされる。

 ウーロン茶にはカテキンと重合カテキンの両方が入っているので、理論的には、カテキンの「脂肪燃焼効果」と重合カテキンの「脂肪吸収阻害効果」を併せ持つことになる。

 実際に飲んでやせるかどうかは、ヒト試験での確認が必要だが、十分期待が持てる。

「濃いウーロン茶」独自の健康効果も

 ウーロン茶にはこのほか、高血糖の改善効果(Diabetes Care; 26,1714-8,2003)や、エネルギー代謝量を増やす効果(J. Med. Invest.; 50,170-5,2003)などが、無作為化割り付け(RTC)のヒト試験で確認されている。試験に使われているのは「濃いウーロン茶」だ。

 例えば、『Diabetes Care』誌に発表された試験(高血糖の改善効果を確認)では、100ml当たり99mgのポリフェノールを含むウーロン茶が使用された。

 この試験は、サントリー研究センター健康科学研究所が、台湾に在住する2型糖尿病患者20人を対象に実施したもの。台湾Providence大学、徳島大学医学部教授の山本茂氏、米国農務省(USDA)のBeltsvilleヒト栄養研究センターなどと共同で、12週間にわたる介入試験を行った。

 試験では、ポリフェノール1490mgとカフェイン352.7mgを含むウーロン茶1500mlを毎日、4週間続けて飲用した。すると、血漿グルコース濃度(mg/dl)は229から162に、血漿フルクトサミン濃度(μmol/l)は410から323へと、いずれも大幅に減った。

 参加者男女10人ずつの平均年齢は61.2歳、糖尿病歴の平均は4.8年。比較対照として水1500mlを飲んだ期間は、いずれも有意な変化はなかった。

 試験で使ったウーロン茶の濃さは、今回紹介した高ポリフェノール含量のウーロン茶飲料とほぼ同じ。もちろんウーロン茶葉を使って自分でいれれば、濃いウーロン茶を楽しめるが、手軽さではウーロン茶飲料がまさる。

 今後とも、ポリフェノール濃度が高いウーロン茶飲料が人気を集めそうだ。(河田孝雄)

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