2004.05.07

< 編集委員の目 > 今改定の“目玉”が浮き彫りにした初再診料加算の不合理

 診療報酬の改定後、最初の請求を行う時期となった。全体として小幅な見直しにとどまり、大きな影響はなかったようだが、小児科を標榜している病院や診療所は、多少増収になっただろう。数少ない改定の目玉の一つとして、6歳未満の乳幼児に時間外、休日、深夜の初診・再診を行った場合の加算の算定要件が緩和されたからだ。

 これまでこうした時間帯・曜日を診療時間としていた医療機関は、加算の算定ができなかったが、小児科を標榜しているなどの条件を満たせば、それが可能になったのだ。例えば小児科を標榜し日曜日の午前中も診療を行っているクリニックが、その際3歳の子供を診ると、乳幼児加算のアップも含め、初診ならば263点、再診203点の増収になる。

 これらの加算の算定の原則は、時間外が「概ね午前8時前と午後6時(土曜日は正午)以降、この基準によるのが困難な場合は診療時間外」、休日が「日曜日と国民の祝日、年末年始」、深夜が「午後10時から午前6時」と定義されている。そして、救急病院・診療所や地域の救急医療の輪番制に参加している医療機関などを除き、こうした曜日・時ヤ帯が診療時間外でないと算定できないことになっている。

 この仕組みはいささか世間常識からずれているとともに、医療機関のやる気をそぐことになりかねない。例えば、今年で言えば休みの会社も多いゴールデンウイーク中の4月29日(金)や、5月1日(土)は休日加算が算定できない。8月のお盆休み期間中も、日曜日を除けばやはり算定できないことになる。24時間営業のコンビニエンスストアが当たり前になりつつある中、小児科以外の医療機関は午前7時から夜11時まで診療していても、深夜加算は算定できないのだ。

 今回小児科の標榜など一定の条件をつけて、診療時間中であっても時間外や休日などの加算の算定が認められるようになった。しかし、これを特例として加算の原則の問題点を放置しておくのはいかがなものだろう。社会全体や地域の実情を踏まえ、コストを反映した時間外加算などの算定ができるようにするとともに、しっかりとした診療態勢で休日や深夜などの診療に当たろうとする医療機関を、手厚く評価する仕組みを作っていくべきだろう。 
(井上俊明、日経ヘルスケア21

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