2004.05.07

セレンは、前立腺がんを予防する、血中濃度が高いとリスクが半減−−米ハーバード・メディカルスクールが解明

 抗酸化ミネラルとして知られるセレンを、食事などから十分にとれている人は、前立腺がんになる危険性が低い−−。米ハーバード・メディカルスクールの研究者らによる研究結果が、米国立がん学会誌5月5日号に掲載された。

 Physicians' Health Studyに参加した健康な男性のうち、この間に前立腺がんになった586人と、ならなかった577人について、追跡開始時の血中セレン濃度と前立腺がんになるリスクの関係を調べた。追跡期間は、1982年から13年間。

 その結果、血中セレン濃度別に5グループに分けてみると、セレン濃度が最も高かったグループは、最も低かったグループに比べて、前立腺がんになるリスクが48%低かった。

 この傾向は、1990年10月から前立腺がんの精密スクリーニング法であるPSA(前立腺特異抗原)検査が行われるようになって前立腺がんの見落としが減った以降でも、それ以前と変わらなかったという。

 研究者らは、「セレンには、前立腺がんの進行を遅らせる作用があるだろう」と論文中で述べている。

 なお、セレンをサプリメントとして補った場合の健康効果については、現在進行中の比較対照試験「the Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial (SELECT)の結果が待たれるところだ。

 今回の論文のタイトルは「A Prospective Study of Plasma Selenium Levels and Prostate Cancer Risk」。アブストラクトはこちらまで。

 日本人のセレンの栄養所要量は成人で1日40〜60μg、許容上限摂取量は250μg。

 セレンは魚介類、動物の内臓や食肉のほか、小麦胚芽や玄米、野菜などにも広く含まれていて、日本人は通常の食事をしていれば不足の心配はないとされている。

 ただし、現在米国で行われているSELECTでは、1日に200μgのセレンをサプリメントとして摂取した場合の効果をみている。(小山千穂)

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