2004.05.06

どこへ行く、有床診療所 複数医師・夜勤看護の加算も追い風とはならず

 経営が苦しく、無床にしたり廃院する有床診療所が後を絶たない。厚労省が4月14日に公表した2004年1月末時点での医療施設動態調査によれば、診療所数は前月比マイナス32施設で9万6294施設だったが、その内訳は、無床診療所がプラス27施設の8万1125施設、有床診療所はマイナス59施設の1万5169施設だった。病床数では603床も1カ月で減っており、合計で18万5612床だった。

 有床診療所については「48時間を超えて患者を入院させることがないよう努めなければならない」という医療法13条の規定があるが、既に死文化し、地域において緊急入院や、慢性期患者の長期入院のための施設として機能している。

 入院機能に対する診療報酬上の評価が低さが、有床診療所激減の最大の理由だ。2004年の診療報酬改定において有床診療所入院基本料1群1に、複数医師・夜勤看護要員配置を要件とする加算(40点)が新設されたことで、夜間緊急時等の対応等を行っているところには若干の追い風となったが、複数医師・夜勤看護をクリアできる診療所は現実にはわずかだろう。

 中途半端な慢性期医療を提供している有床診療所の残る“行き先”としては介護保険病床である療養病床が考えられるが、こちらも一般病院からの病床転換が急速に進んでおり、これらと真っ向から競合することになる。

 病院機能の再編が急速に進む中、有床診療所も入院の必然性の高い急性・亜急性期医療に取り組むか、療養環境を整備して介護保険病床としての機能を高めるかしない限り、生き残りはほとんど不可能になった言えよう。
(千田敏之、日経ヘルスケア21

◇近刊紹介◇「競合時代を勝ち抜くための診療所開業マニュアル」

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 11県で総合診療科研修プログラムの応募ゼロ 新専門医制度、初年度専攻医の一次登録を締め切る FBシェア数:170
  2. 適応のある/なしは患者の知ったことではない 尾藤誠司の「ヒポクラテスによろしく」 FBシェア数:31
  3. 意外に怖いRSウイルス、乳児に加え高齢者も トレンド◎重症化の頻度はインフルエンザと同等 FBシェア数:7
  4. 診療報酬改定は在宅の負担軽減、遠隔診療が焦点 特集◎かかりつけ医の未来《動向編3》 FBシェア数:24
  5. 胃潰瘍後のPPIはいつまで続ける? 田中由佳里の「ハラワタの診かた」 FBシェア数:85
  6. 休みがちな職員の影響で負担増大、院長も苦慮 榊原陽子のクリニック覆面調査ルポ FBシェア数:2
  7. そのまま、動かすな! 連載小説「坂の途中」 FBシェア数:9
  8. 順大が総合診療医向けのキャリア構築プログラム 大学と市中病院が連携、研究と臨床を学ぶ場を提供 FBシェア数:108
  9. 「胃癌予防目的での小児のピロリ除菌療法は推奨しな… 日本小児栄養消化器肝臓学会がガイドライン草案を公開 FBシェア数:112
  10. 負荷試験や経口免疫療法に伴う重篤な事例は9例 日本小児アレルギー学会が「重篤な食物アレルギー症状」の緊急調査 FBシェア数:5