2004.05.06

米CDC、インフルエンザ対策指針2004年版を発表、2歳未満のインフルエンザワクチン定期接種を新たに規定

 米疾病対策センター(CDC)は4月30日、2004〜2005年の次期インフルエンザシーズンに向けた2004年版のインフルエンザ対策指針「Prevention and Control of Influenza」速報版を公表した。米国では、2003〜2004年の前シーズンにA3型福建株(H3N2)が大きな流行となり、多数の小児が死亡したことから、2歳未満の健康な乳幼児に対するインフルエンザワクチンの毎年接種が新たに推奨されることになった点が注目に値する。

 前シーズンの2003年10月から2004年3月にかけての北半球のインフルエンザシーズンには、欧州や米国でインフルエンザの大きな流行があった。患者から分離されたウイルス株のほとんどはA香港型福建省株「A/Fujian/411/2002(H3N2)」だった。この流行で米国では、143人の小児が死亡、うち58人が2歳未満という痛ましい被害に見舞われた。

 こうしたことからCDCと米国厚生省(Secretary of Health and Human Services:HHS)が設置した予防接種諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices:ACIP)では、2004〜2005年インフルエンザシーズンに向けての新たな対策指針のなかで、6〜23カ月の健康な乳幼児をインフルエンザのハイリスク群とみなし、インフルエンザワクチンを定期接種に加えることにしたもの。

 2004年版のインフルエンザ対策指針の前年版からの主な変更点は次のとおり。

1.6〜23カ月の健康な乳幼児と、0〜23カ月の乳幼児に密接に接触する者をインフルエンザワクチンの毎年接種の推奨対象に加える。
2.隔離環境が必要な重度の免疫不全患者に接する家族や医療関係者に対しては、新たに発売された弱毒化生ワクチンではなく、従来の不活化ワクチン接種を推奨する。
3.重度の免疫不全患者には弱毒化生ワクチンは接種すべきでない。それ以外のインフルエンザ感染ハイリスク者は弱毒化生ワクチンを接種してもよい。
4.2004〜2005年のインフルエンザワクチン株は以下のものとする。
Aソ連型ニューカレドニア類似株「A/New Caledonia/20/99(H1N1)-like」 
A香港型福建省類似株「A/Fujian/411/2002(H3N2)-like」
B型上海株「B/Shabghai/361/2002-like」
A香港型の類似株としては、A/Wyoming/3/2003(H3N2)を、またB型の類似株としては、B/Jilin/20/2003、またはB/Jiangsu/10/2003を指定している。

 日本では、インフルエンザワクチンについて、米国の推奨接種スケジュール(Recommendation Immunization Schedule)に相当する感染症法上の定期接種の対象になっているのは、65歳以上の高齢者(一部60〜64歳を含む)だけになっている。

 米CDCのプレスリリースはこちら、ACIPの2004年インフルエンザ対策指針の全文(速報版)はこちらを参照。(中沢真也)

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