2004.04.23

ショウガはつわりを軽くする! 医薬品並みの効果−−豪大学が臨床試験で確認

 何を食べても吐いてしまう、食べ物の匂いがするだけで吐き気がする−−。こんな、つらい「つわり」が、ショウガで軽くなることがわかった。つわりに悩む妊婦291人が参加した臨床試験で、ショウガが医薬品と同じくらい効くことが確かめられた。この研究を行ったのは、オーストラリアAdelaide大学産婦人科のCaroline Smith氏ら。研究結果を、米国産婦人科学会(ACOG)が発行する学術誌『Obstetrics & Gynecology』誌4月号で発表した。

 ショウガに吐き気を止める作用があることは、洋の東西を問わず昔から経験的に知られていた。例えば、漢方薬では、吐き気を止める処方にショウガが配合されている。ヨーロッパでも、つわりに対する民間薬としてショウガが使われている。

 医学界では1980年代から、こうした「経験則」を科学的に調べ直す動きが盛んになっている。ショウガのつわり緩和効果についても、1990年代に複数の臨床試験が行われ、「プラセボ(偽薬)より効く」という結果が出ている。

 しかし、以前の試験に参加した妊婦は数十人と少なく、試験期間もわずか4日間。少なくとも1カ月はつらい時期が続く、つわりへの効果をみる試験としては短すぎる。

 そこでSmith氏らは参加人数を増やし、期間も延ばした臨床試験を新たに行った。

 試験に協力したのは、吐き気や嘔吐(おうと)に悩む、妊娠初期の妊婦291人。くじ引きで2グループに分け、乾燥ショウガ粉が350mg入ったカプセルか、ビタミンB6が25mg入ったカプセルを、1日3回3週間飲んだ。

 試験期間中は週1回、つわりの重さ(吐き気、嘔吐、空吐きの回数などで評価)をチェック。

 すると、どちらのカプセルをのんだ妊婦も、週を追うごとに症状が良くなった。最終的に、ショウガでは53%、ビタミンB6では55%の妊婦で、つわりの症状が軽くなった。

 ちなみにビタミンB6は、厳密な臨床試験でつわりの症状を軽くする効果が確かめられており、ACOGが「つわりに対してまず使うべき薬」(第一選択薬)として推奨する薬。

 もちろん日本でも、つわりの治療薬として病院で処方されている。

 今回の試験から、ショウガに、このビタミンB6と同じくらい効果があることがはっきりしたわけだ。

 試験で使った乾燥ショウガ粉の量は、1日分がおよそ1g。これは、生のショウガなら、すりおろして小さじ1杯分に相当する。

 お湯に溶かして、お好みで砂糖や片栗粉を入れ、ショウガ湯にすればとるのも簡単。つわりがつらいとき、ぜひお試しを。

 この論文のタイトルは、「A Randomized Controlled Trial of Ginger to Treat Nausea and Vomiting in Pregnancy」。アブストラクトは、こちらまで。
(内山郁子)


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