2004.04.01

新シリーズ【パナケイア:若手医師のために】(1) 日経メディカル「ランキング」に見る研修病院の実力 聖路加国際病院、岸和田市民病院、聖隷浜松病院の姿

 図は、日経メディカル「良い病院ランキング」を元に作成した。目的は、研修希望者が病院を選ぶ際の目安の一つになると考えたからだ。

 研修希望者と研修病院の組み合わせ決定制度である「マッチング」が6月から始まる。研修希望者が病院を選ぶ視点は、さまざまに違いない。その際に、日経メディカル「良い病院ランキング」から見えてくる病院の実像も、判断材料の一つになると考え、今回から新シリーズパナケイア:若手医師のために】をスタートさせる。

 日経メディカルは、日本医療機能評価機構が2002年9月以降に認定を始めた「評価第4版方式」で受審・認定されている病院を対象にランキングを弾き出した。その結果、総合順位では小倉第一病院が1位、聖路加国際病院が2位、岸和田市民病院が3位となった。また、分野別にみると「診療の質の確保」の分野では、岸和田市民病院、聖路加国際病院、国保旭中央病院がベスト3に名を連ねている。  

 新シリーズでは、この「評価第4版方式」で受審・認定されている病院から臨床研修指定病院をピックアップし紹介していく。第1回は、上位に名を連ねた聖路加国際病院、岸和田市民病院、聖隷浜松病院の姿を取り上げたい。
 
■総合力で上位、レーダー分析では理想の円に近く
聖路加国際病院

 

 上の図をご覧いただきたい。今回の評価ランキングから、「総合」「病院組織の運営と地域における役割」「患者の権利と安全の確保」「療養環境と患者サービス」「診療の質の確保(ケアプロセス評価を含む)」「看護の適切な提供(ケアプロセ含む)」「病院運営管理の合理性」の7項目について、全体の平均を割り出し、その平均値を分母とし病院ごとの点数を分子とし計算しなおしたものだ。項目ごとの平均は「1」となる。これより高ければ、ランキングで上位にあることになる。

 聖路加国際病院の場合、全体的に見て円に近くなっている。これは総合力で理想の病院像に迫っていることを物語っていよう。

 研修希望者によってどの項目を重視するかは一人ひとりで違うだろうが、「診療の質の確保」が「1.13」と高いのは着目点の一つに違いない。実際に病院で行われている診療行為を採点する「ケアプロセス評価」の結果だからだ。

 なお、聖路加国際病院の研修医情報は、「聖路加国際病院の臨床研修医になりたい人, 聖路加国際病院の卒後教育に興味のある方のためのページ」に詳しい。


■「診療の質の確保」が総合点を押し上げる
岸和田市民病院

 

 岸和田市民病院は、総合順位で聖路加国際病院に次ぐ3位。レーダー分析でみると、上位にある原動力は「診療の質の確保」にあることが分かる(図)。評価指数「1.13」は、聖路加国際病院と同じ。

 両病院の比較で浮かび上がるのは、岸和田市民病院の方は、「病院運営管理の合理性」が「1.06」と平均に近く、聖路加国際病院の「1.13」と差がある点だ。たとえ公立病院であっても、病院運営管理が甘くていいというわけではない。

 研修希望者にとって「病院運営」の評価は選択条件の中で弱いものかもしれないが、気になる点ではある。

 岸和田市民病院の「医師臨床研修プログラム」は、同病院ホームページ(http://www2.sensyu.ne.jp/kch/)に掲載している。

■「病院組織の運営と地域における役割」で高評価
聖隷浜松病院

 

 総合順位4位につけた聖隷浜松病院は、「病院組織の運営と地域における役割」が「1.15」と高評価だった。「療養環境と患者サービス」も「1.13」と高い。「診療の質の確保」も「1.12」と聖路加国際病院、岸和田市民病院に劣るわけではない。

 ただ上記の図で分かるように、「看護の適切な提供」や「病院運営の合理性」で評価が平均に近く、「患者の権利と安全の確保」では「1.01」と今回の3取り上げた病院の中で3番目となっている。

 なお、聖隷浜松病院の研修情報は、研修センターのコーナーに詳しい。

 ここで紹介したレーダー分析はあくまでも相対評価でしかない。また、今回取り上げた病院は、総合順位でも2位、3位、4位にあり、この事実そのもので、本来、研修希望者の選択にかなうものであろう。

 なお、このシリーズの前提となるランキングについては、関連トピックスをご参照いただきたい。
(三和護)

■ ランキング算出方法 ■

 2003年12月末現在で、全国9239病院のうち1100病院が日本医療機能評価機構の認定を受けている。うち第4版の認定は162病院。そのうち12月末現在で同機構のホームページ上で評点を公開している「一般病院」と「複合病院」合わせて65施設を、今回のランキングの対象とした。

 評価第4版方式では6分野(「精神科に特有な病院機能」と「療養病床に特有な病院機能」の2分野を除く)で178の審査項目があり各5点満点。順位は、これらの評価項目の合計点に基づく。ただし、3次救急体制など該当しない病院が多数ある13項目については計算から除外した。「診療の質の確保」と「看護の適切な提供」のケアプロセスは病棟ごとに評価が行われるが、ランキング集計には、病棟の平均点を使用した。なお、再審査を受けた項目は、再審査の点数を採用した。

同機構の第4版では、実際に病院で行われている診療行為を採点する「ケアプロセス評価」を取り入れているのが特徴の一つ。

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 医師国家試験を解答するAIの正体教えます トレンド◎人工知能が医療現場にやってくる FBシェア数:129
  2. その開業話、本当に進めても大丈夫ですか? その開業、本当に大丈夫ですか? FBシェア数:19
  3. 清掃中に生じた精巣痛の原因は? 山中克郎の「八ヶ岳から吹く風」 FBシェア数:32
  4. 「教えるプロ」に学ぶ、下部消化管内視鏡検査 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:2
  5. 脳梗塞に対するt-PA投与をiPhone使って判… トレンド◎日本初の保険適用アプリ「Join」、入院日数・医療費減にも効果 FBシェア数:348
  6. 向精神薬になったデパス、処方はどうする? トレンド◎ベンゾジアゼピン系薬の安易な処方に警鐘 FBシェア数:1300
  7. 燃え尽きる前に、やるべきことは1つ! 研修医のための人生ライフ向上塾! FBシェア数:0
  8. 男性医師は何歳で結婚すべきか、ゆるく考えた 独身外科医のこじらせ恋愛論 FBシェア数:201
  9. デパス向精神薬指定の根拠とは Interview FBシェア数:148
  10. 天才は、扱う人間を格付けする意味で罪作り!? 松原好之の「子どもを医学部に入れよう!」 FBシェア数:0