2004.03.31

【インタビュー】 「医療分野のIT普及にマイクロソフトのノウハウを」 ――米マイクロソフトのスティーブン・グッゲンハイマー氏

 米マイクロソフトのスモール・ビジネス担当バイス・プレジデントであるスティーブン・グッゲンハイマー氏が3月30日に来日した。国内の診療所におけるIT化の進ちょく状況などを把握するのが目的だ。同日、帝国ホテル内の「帝国クリニック」(院長:岩本耕太郎氏)を訪問し、電子カルテの利用状況などを視察した。

 マイクロソフト(株)は2003年11月に、臨床検査会社大手の(株)ビー・エム・エルと医療分野のIT化などに関して協業関係を結んでいる。今回のグッゲンハイマー氏の来日は、ビー・エム・エルと共同で進める医療分野へのIT化戦略をさらに具体化させる目的もある。グッゲンハイマー氏(写真)に今後の戦略について聞いた。

――電子カルテを導入済みの診療所を視察した率直な感想は。

 今回は、帝国クリニックの電子カルテを拝見し、IT化はかなり進んでいるという感触を得た。紙カルテがないためスペースの節約になる、パソコンで患者情報を管理できる、保険医療費の請求業務が容易になるなどの話を聞き、まったくその通りだと感じた。

 医師は想像以上に忙しいと聞いている。我々は、少しでも医師が仕事をしやすいように手伝いたいと考えている。空いた時間は、家族とともに過ごしていただいたり、医師が他のことをする時間に充てていただければと思う。

――ビー・エム・エルとの協業の内容について聞かせてほしい。

 マイクロソフトとビー・エム・エルは、技術とマーケティングの両方で協力していく。ビー・エム・エルは使いやすく信頼性の高い電子カルテ「MedicalStation」を提供しているが、マイクロソフトはビー・エム・エルとともに、医療分野へのITソリューションを提供していく。

 技術面では、使いやすさや信頼性向上をキーワードに、マイクロソフトのソフトウエア技術を提供し、顧客ニーズに応えていく。また、より多くの医師にITソリューションを提供できるよう、マーケティング分野でも協力していく。

 現在、ビー・エム・エルとより具体的な内容に関して検討しているところだ。

――医療分野へのIT普及に関して、何か検討していることはあるか。

 特に、若い医師は電子カルテの導入などに関するコスト負担が大きいと聞いている。この件に関してはビー・エム・エルとともに対策を検討している。

 使いやすさの追求も重要な命題だ。帝国クリニックでは、「音声入力に関心がある」という話を聞いたが、マイクロソフトは以前からこの分野に投資しており、今後も引き続き研究開発を進める。また、キーボードを使わずに手書きで入力できる「タブレットPC」も提供している。こうした技術で、医療分野へのIT普及を促進していきたい。

 今後は診療所と病院、薬局など、さまざまな組織間での情報共有が必要になっていくと考えている。そこで、Microsoft Office Systemの一製品である「InfoPath」の活用をアピールしていく。InfoPathは、XMLを使った情報共有ツールで、入力された情報をすべてXML形式で管理・共有できる。これにより、診療所、病院、薬局、ひいては患者との間の医療情報の共有を容易にしていきたいと考えている。

(川崎慎介、日経ヘルスケア21

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