2004.03.31

日本の産科医師は禁煙にどう対応しているのか

 28日夕刻の第3回禁煙セミナーで、日本の産科医師は禁煙にどう対応しているか明らかにするパイロットスタディが発表された。順天堂大学の中村靖氏が報告した。

 冒頭、中村氏は妊婦の喫煙率が1990年から2000年の10年で2倍近くに増えていることを示し対策の必要性を訴えた。この増加を食い止めるチャンスが産科の現場にあるとも訴えた。

 中村氏は、産科の現状を把握する目的で、東京圏において分娩数で実績のある主な施設(大学病院および産科主体の病院)の産科医師を対象にアンケート調査を実施。18施設の69人から回答が得られた。

 回答者の構成は、男性55人、女性14人で、喫煙率は30%と高率だった(図1,2)。










 日常診療で妊婦の喫煙の確認と把握をどのように行っているか尋ねたところ、妊婦の喫煙を「初診時に」確認している産科医師は43人と多数ではあったが、「入院時に」が3人、「病状に応じて」も15人いた。また「確認していない」が8人だった(図3)。




 妊婦の喫煙状況についての把握は、「全員について」との回答が5人にとどまり、「ほぼ全員」が23人、「一部の妊婦について」が24人、「ごく一部のみ」が10人だった。「把握していない」も7人だった(図4)。



 「妊婦の喫煙をどう思うか」との質問には、喫煙者(n=21)と非・元喫煙者(n=48)で意見が違った。「禁煙すべきである」と回答した喫煙者は12人、一方の非・元喫煙者は30人だった。以下、「無理に禁煙するより徐々に減らすべきである」が喫煙者6人、非・元喫煙者12人、「無理に減らすより状況に応じて考える」が喫煙者3人、非・元喫煙者6人だった(図5)。「どうとも思わない」はさすがにどちらも0だった。



 中村氏は、「産科医師の喫煙をどう思うか」も尋ねているが、こちらも喫煙者(n=21)と非・元喫煙者(n=48)で異なる見解となった。たとえば「禁忌・やめるべき・(患者に対して)説得力がない」とする意見は、喫煙者で3人、非・元喫煙者で17人と開きがあった。また「個人の自由・個人の問題・場所をわきまえて」などの意見は、喫煙者で14人、非・元喫煙者で22人とこちらは逆転していた(図6)。



 中村氏はこうしたデータを示しながら、日本の産科での喫煙対策の現状を説明。「医師も妊婦もたばこが妊婦にとって良くないことは理解しているが、妊婦はたばこのやめ方がわからない。医師はやめさせ方がわからない」と指摘した。「いずれもたばこの害については正確な知識に乏しく、過小評価しがち」とも語った。(三和護)

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