2004.03.29

バルサルタンは不整脈の誘発を改善する

 ARBは心室肥大を抑制することにより、心室性不整脈を改善するが、そのメカニズムは明らかではない。埼玉医科大学循環器内科の須賀幾氏らは、69例の高血圧患者(男性30例、女性39例、平均年齢63.8±10歳)を対象にバルサルタン20〜160mg/日を投与し、同薬による心室性不整脈の誘発の抑制と降圧効果の関係について検討した。平均追跡期間は353.6±123.2日である。28日の一般口述で発表した。

 須賀氏らは、バルサルタン投与前と投与10カ月後の平均血圧、心電図上のRV5+SV1、QT dispersion(QTD)およびQTc despersion(QTcD)を比較し、投与前後の平均血圧およびRV5+SV1の差とQTD・QTcDの差の相関について検討した。

 その結果、バルサルタン投与後の平均血圧は有意に低下していたが(p<0.0001)、RV5+SV1は投与前後で有意な変化はみられなかった。投与後のQTDおよびQTcDは有意に低下していた(p<0.0001)。また、平均血圧の差とQTD・QTcDの差には有意な相関は認められず、RV5+SV1の差とQTD・QTcDの差にも有意な相関は見られなかった。

 QTDおよびQTcDの低下は、心室の再分極の不均一性を改善する。須賀氏はこの理由として、バルサルタンがRASを抑制し、心筋線維化を抑制する、またAT1受容体を阻害しA2による交感神経の活性を抑制することが考えられるとした。しかし、今回の検討では、バルサルタンは降圧効果や左室肥大改善といった現象を介して心室性不整脈の誘発を抑制したとは考えられず、その他の機序を検討する必要があると結んだ。

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