2004.03.28

尿中8-ISOは重症中等症高血圧患者およびバルサルタンによる治療の有用なマーカー

 酸化ストレスは様々な疾患や病態発症の機序に関わっており、高血圧症の病態においてもその関与が注目されている。また、アンジオテンシンII(A2)は、酸化ストレスを上昇させることが報告されている。兵庫医科大学循環器内科学の奥村隆啓氏らは、高血圧患者および正常血圧者の血中および尿中の酸化ストレス指標を測定し、血圧との関係について検討した。また、重症中等症高血圧患者に対し、ARB(バルサルタン)を投与し、酸化ストレス指標との関係について検討した。27日のポスターセッションで発表した。

 奥村氏らは、146例の未治療患者を、重症中等症高血圧群(SH群、160mmHg以上/100mmHg以上、26例)、軽症高血圧群(MH群、140〜160未満/90〜100mmHg未満、13例)、正常血圧群(NT群、140mmHg未満/90mmHg未満、107例)の3群に分類した。また、重症中等症高血圧患者8例にバルサルタン80mg/日を3カ月間投与した。患者には早朝空腹で採血・採尿を行い、一般採血および酸化ストレス指標として、血中および尿中(クレアチニン補正)の8-hydroxy-2’-deoxyguanosine(8-OhdG)、8-isoプロスタグランジンF2α(8-ISO)、血中のsuperoxide dismutase活性(SOD活性)、マロンジアルデヒド-LDL(MDA-LDL)の測定を行い、血圧値による3群間で解析した。また、SH群の8例に対し、バルサルタン3カ月投与後にも同様の測定をした。

 その結果、尿中8-ISOおよび尿中8-OhdGはNT群に比べSH群で有意に高値であった(8-ISO;SH 782±108、NT 512±26pg/mg creatinine、8-OHdG;SH 7.9±1.2、NT 5.0±0.4ng/mg creatinine、p<0.05)。これらを年齢、BMI、LDL-C、TG、HDL-C、HbA1cとともにロジスティック解析を行ったところ、年齢、HbA1cとともに尿中8-ISOが、SH群の有意な指標となり得た。また、バルサルタンを投与したSH群8例において、治療終了後の収縮期・拡張期血圧が有意に低下し(SBP;172±6.3-->139±5.4mmHg、DBP;105±5.2-->82.8±4.9mmHg)、尿中8-ISOも有意に低下していた(780±145→630±181pg/mg creatinine、p<0.05)。

 奥村氏はこれらの結果から、酸化ストレス指標のうち、尿中8-ISOは重症中等症高血圧の有用な指標であると述べた。また、バルサルタン投与により、血圧および尿中8-ISOが有意に低下したことから、血圧と酸化ストレスの間には密接な関係があり、尿中8-ISOはこの関係をみるための有用な指標と考えられると語った。

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