2004.03.17

コーヒーにインスリン感受性改善効果、ブラックで飲めば2型糖尿病を予防する

 コーヒーはインスリン感受性を改善し、2型糖尿病を予防する可能性がある−−。こんな報告が米医師会雑誌Journal of American Medical Association(JAMA)2004年3月10日号にResearch Letterとして掲載された。コーヒーが身体に悪いというかつての定説は、喫煙や運動不足など不健康な生活習慣を持つ人がコーヒーを好む傾向があるためのバイアスや、コーヒーに入れる砂糖などの影響によるものだった可能性を指摘している。

 スウェーデンUppsala大学公衆衛生・介護学部のJohan Arnlov氏らの研究グループは、インスリン抵抗性と糖尿病の関連性などに関する前向きコホート研究「Uppsala Longitudinal Study of Adult Men(ULSAM)」に参加したスウェーデンの高齢男性1221人のデータに対して横断的な分析を行ったもの。コーヒーの飲用に関する記述があり、2型糖尿病患者でない936人のデータを分析対象とした。

 コーヒーに使うクリームと砂糖の量、コーヒーと一緒に食べる菓子の量、茶の摂取、飲酒、BMI、運動量、喫煙の有無などを調整した結果、1日当たりのコーヒー摂取量が増えると有意にインスリン感受性が上昇することが判明した。コーヒー摂取とインスリン分泌量には関連性が見られなかった。コーヒー以外に、1日2杯以上の茶の摂取はインスリン感受性の上昇に、コーヒーや茶に入れる砂糖の量が1日15g以上の場合は逆にインスリン感受性の低下に、それぞれ有意な関連性があった。

 一方、コーヒーの摂取は、1日の総カロリー摂取量、砂糖と菓子パンの摂取量、BMIなど各種の不健康な習慣と正の相関があることが分かった。また、喫煙者は1日のコーヒー摂取量は平均3.8杯と、非喫煙者の平均3.3杯よりも多く、概して不健康な生活習慣を持つ人がコーヒーを好む傾向があった。

 カフェインの摂取は短期的にはインスリン感受性を下げるという別の研究報告もあるが、Arnlov氏らは、コーヒーの長期的な摂取により、コーヒーや茶に含まれるポリフェノールの持つ抗酸化性がインスリン感受性の改善に貢献している可能性を示唆している。

 著者らは、本研究は横断研究なので因果関係には言及できないこと、対象が白人の高齢男性に限定されていることを指摘、今後、インスリン抵抗性を有する対象者に対するコーヒーの影響を確認する介入試験の必要性を提唱している。

 本論文の原題は「Coffee Consumption and Insulin Sensitivity」。非購読者へのアブストラクト公開は行われていない。(中沢真也)

■ お知らせ ■
「医師も戸惑う健康情報」が本になりました

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 医師・医学生の不祥事報道を目にする度に… 東謙二の「“虎”の病院経営日記」 FBシェア数:29
  2. 「102歳Asystole」に思うこと 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:222
  3. 医師免許を失う以外はたいしたリスクじゃない 鈴木裕介の「キャリア迷子」に捧げる処方箋 FBシェア数:0
  4. 麻疹集団感染、医療機関の受診者からも陽性者 パンデミックに挑む:トピックス FBシェア数:237
  5. 子どもにとってトイレやうんちは諸刃の剣 田中由佳里の「ハラワタの診かた」 FBシェア数:56
  6. 若年者のピロリ菌スクリーニング検査は簡便な尿中抗… 学会トピック◎第13回日本消化管学会総会学術集会 FBシェア数:2
  7. インフルエンザ脳症が58例に、6人死亡 インフルエンザ診療Next:トピックス FBシェア数:385
  8. 初訪問で患者が激怒!そのワケは? 新井翔の「I love 在宅」 FBシェア数:79
  9. 「怒鳴る」「注意できない」管理者の結末 太田加世の「看護マネジメント力を磨こう」 FBシェア数:6
  10. 2016年の梅毒患者は4500人超、最多の東京都… 前年比で大幅増加 FBシェア数:239