2004.03.12

スタチンは造影剤による腎障害を抑制

 冠動脈疾患治療には欠かせない冠動脈造影だが、造影剤による腎毒性という問題も一面にはある。しかし米国Henry FordHospitalのSanjaya Khanal氏によると、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)には造影剤性腎障害を抑制する作用があるという。およそ3万例を追跡した報告が、3月9日のポスターセッション「治療の転帰」で発表された。

 Khanal氏らは、多施設における経皮的冠動脈インターベンション(PCI)例データをプロスペクティブに集積し、2万9409例に関し血清クレアチニン(Cr)のデータを得た。そこでこれらを、スタチンを服用していた「スタチン群」(1万1017例)と服用していなかった「非スタチン群」(1万8392例)に分け、PCI前後の腎機能を比較した。「造影剤性腎障害」は、PCI後の最大値がPCI前に比べ「血清Crが0.5mg/dl以上上昇」した場合とされた。

 まず「造影剤性腎障害」発現頻度を比較すると、「スタチン群」の4.37%に対し「スタチン群」では5.93%と有意な増加を認めた。また、「スタチン群」では0.32%だった透析導入も、「非スタチン群」では0.49%で有意に多かった。

 「PCI前スタチン服用」による腎障害の補正後オッズ比は0.88(95%信頼区間:0.8〜1.0、p=0.04)であり、スタチン服用による「造影剤性腎障害」抑制作用が示唆された。補正は「年齢」「性別」「クレアチニンクリアランス」「加重平均したスタチン服用」「病変枝数」「造影時間」「心血管系合併症」「造影剤の量」「ヘモグロビン値」「バルーン使用」「左室駆出率」「心原性ショック」「直近1週間の心筋梗塞既往」「心室性不整脈」「左主幹部狭窄度」「冠動脈石灰化」「不安定狭心症」――について行われている。

 Khanal氏らはこれらより「スタチンはPCI後の造影剤性腎障害を抑制する」と結論付けた。

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