2004.03.11

メタボリックシンドローム例と糖尿病例のリスク層別化にCRPを利用可能

 近年、動脈硬化性疾患のマーカーとして注目されているC反応性タンパク(CRP)が、カテゴリー化するとメタボリックシンドローム(MetS)例における冠動脈イベントの有力な予知因子であると、米国University of CaliforniaのSahista Malik氏が報告した。米国の大規模横断試験を解析した結果で、セッション「メタボリックシンドロームと動脈硬化惹起的脂質代謝異常」で報告された。

 Malik氏らが解析したのは、1988年から1994年にかけて行われた米国の大規模横断研究である「第3次全米健康栄養調査(NHANESIII)」対象のうち、17〜75歳で、心血管系危険因子と血中「CRP値」のデータがそろっていた6497例。NHANESIIIではCRP値を「3mg/dl未満」(CRP低値)と「3mg/dl以上」(CRP高値)の二つに分けていたため、6497例を「低値」群と「高値」群に分け、その他の危険因子を比較したところ、「HDLコレステロール(HDL-C)濃度」はCRP「高値」群で有意に高く、「LDLコレステロール」、「トリグリセライド」濃度、「収縮期・拡張期血圧」、「空腹時血糖値」、「腰回り」はいずれも「高値」群で有意に高かった。

 また、これら6497例の心血管系イベント既往歴から算出すると、CRP「低値」群に比べ、心血管系イベントの相対リスクは「高値」群で1.75倍、有意に増加していた(95%信頼区間:1.27〜2.42)。そこで、「糖尿病」、「MetS」例の心血管系イベント相対リスクを、CRP「低値」、「高値」の2群に分けて検討した。

 すると、「MetS(−)、糖尿病(−)、CRP低値」群に比べ、「MetS(−)、糖尿病(−)、CRP高値」群の相対リスクは1.67に有意に増加していた。同様にMetS例では、CRP低値群で1.69だった相対リスクが高値群では2.35と、倍増に近い有意な増加を示した。この傾向は糖尿病例で更に顕著になり、1.98だったCRP低値群のリスクが、高値群では5.60と2倍以上の有意な増加を示していた。この傾向は、男女別に検討しても、おおむね同様だった。

 なお、これらの相対リスクは、年齢、性別など、他の危険因子を全て補正後の数字である。横断的研究のデータ解析のため、CRP高値と心血管系イベント発生の時間的関係が不明という限界があり、「今後、縦断的研究で確認する必要がある」と条件を付けながらもMalik氏は、「MetS例、糖尿病例のリスク層別化に、CRPは有用だ」と結論付けた。

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 非医師がタトゥーを彫るのは医師法違反か 弁護医師・田邉昇の『医と法の視点』 FBシェア数:67
  2. 酒を飲んで仕事!? 待機中の飲酒はアリなのか 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:188
  3. 11県で総合診療科研修プログラムの応募ゼロ 新専門医制度、初年度専攻医の一次登録を締め切る FBシェア数:136
  4. 昭和大学病院の「働き方改革」は成功するか シリーズ◎医師の「働き方改革」 FBシェア数:425
  5. 三十六回の手術の末 安楽死を選んだフロイト 病と歴史への招待 FBシェア数:137
  6. STEMをねらえ! Cadetto Special●女性医師の婚活事情 FBシェア数:18
  7. ここまで分かった! 2018診療報酬改定の中味 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:19
  8. 抗認知症薬の使用・選択の5つの考え方 プライマリケア医のための認知症診療講座 FBシェア数:81
  9. 「胃癌予防目的での小児のピロリ除菌療法は推奨しな… 日本小児栄養消化器肝臓学会がガイドライン草案を公開 FBシェア数:11
  10. インスリンポンプは胸の谷間に入れるもの!? 緒方さやかの「米国NPの診察日記」 FBシェア数:215