2004.03.11

微量アルブミン尿、頸動脈脈肥厚よりも早期からリスク指標となる

 動脈硬化例や高脂血症例では心血管系イベント予知因子として知られる頸動脈壁内膜・中膜複合体厚(IMT)だが、高血圧・高脂血症を認めない微量アルブミン尿陽性例においても、心血管系イベント予知因子となっていた。オランダUniversity of GroningenのFolkert W. Asselbergs氏がセッション「臨床試験:心血管系の結果」にて報告した、PREVEND ITのサブスタディ「PREVENDIMT」の結果だ。

 PREVENDITは、微量アルブミン尿以外にほとんど危険因子を有さない、心血管イベントの非常に低い例が対象だ。ACE阻害薬とプラバスタチンの心腎イベント抑制作用がプラセボ対照の無作為割り付け二重盲検法で検討された。追跡期間は4年3カ月間だった。 PREVENDIMTはそのサブスタディで、試験開始時と終了時の頸動脈エコーによるIMTデータの揃っている634例が対象になった。

 これら634例の平均年齢は50.8歳と若く、男性比率も65.0%と比較的低かった。また血清総コレステロール値は224mg/dl、血圧130/76mmHg、糖尿病合併例は4.0%、心血管系イベント既往例は4.2%で、心血管系リスクはきわめて低いと考えられ、また、試験開始時のIMT平均も0.77±0.18mmと正常域だった。ただし、アルブミン尿中央値は22.6mg/日(15.5〜41.2)で、軽度ながら腎機能低下が認められた。

 「試験開始時MT:1mm」を基準に二分して比較すると、第一評価項目「心血管系死亡・入院または末期腎不全」発生率は「「IMT1mm超」群(94例)で10%を超え、およそ4%だった「1mm以下」群(673例)と著明かつ有意な差が認められた。そこで、試験開始時IMTと有意に相関する背景因子を探ると、「年齢」、「男性」、「収縮期血圧」、「拡張期血圧」、「血清コレステロール値」、「尿中タンパク排泄量」が、それぞれIMTと有意に正の相関を示した。また、試験終了時のIMTと有意な相関を示したのは、「開始時のIMT」、「年齢」、「男性」、「脈圧」、「LDLコレステロール値」だった。

 Asselbergs氏は「微量アルブミン以外に危険因子を認めない例においてもIMTは心血管系イベントの予知因子となる」と述べ、一般住民のスクリーニングにもIMT測定が有用である可能性も指摘するが、「そのような血管病変が明らかになる以前から、微量アルブミン尿はリスクの指標となる」と結論付けた。なお、このような軽微な血管病変に対し、ACE阻害薬とプラバスタチンは頸動脈エコーで探知できる変化はもたらさなかった。

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