2004.03.10

【ACC2004速報】 適度な飲酒は急性心筋梗塞にも有効?、死亡リスクは25%減−−欧州の調査で判明

 適度に飲む飲酒者は全く酒を飲まない人に比べて死亡リスクなどが少ないことが知られているが、急性心筋梗塞の予後についても同様のことが言えそうだ。欧州7カ国で心筋梗塞の発症者に対して行われた調査研究で、週に1〜7杯の適度な飲酒者は、非飲酒者に比べ、総死亡と心血管疾患死亡の相対リスクが25%前後低いことが判明した。飲酒者にとっては朗報で、医師は大病したら禁酒・禁煙という常識的な指示を考え直した方がよいかもしれない。3月9日のポスターセッション「ケア成功における患者と医師の要因」で、ノルウェーRogaland中央病院のT. Brugger-Andersen氏らが報告した。

 Brugger-Andersen氏らの研究は、急性心筋梗塞後に心不全、または左心室機能障害を有する欧州7カ国の患者5477人に対して実施されたロサルタンとカプトプリルの臨床試験OPTIMAALの一部として行われた。

 試験期間中、5477人のうち946人が死亡した。患者を開始時点の飲酒習慣によって、非飲酒者2160人、適度(週1〜7杯)飲酒者2753人、多量飲酒者(週に7杯を超える)545人に分類し、非飲酒者に対する総死亡、および心血管死亡の相対リスクを求めた。その結果、喫煙と年齢で調整した総死亡の相対リスクは、週1〜7杯の適度飲酒者で0.76(0.66〜0.88)で24%有意に低く、同じく喫煙と年齢で調整した心血管死亡の相対リスクも0.74(0.64〜0.87)で26%有意に低かった。

 一方、7杯以上の多量飲酒者では、総死亡で1.01(0.79〜1.29)、心血管死亡では0.97(0.74〜1.28)で、非飲酒者と有意な差が見られず、アルコールの多量摂取が総死亡と心血管死亡に関する限り、対象患者ではリスク増大要因にならないことが分かった。

 適度飲酒による約25%の死亡リスク低下は心血管疾患のハイリスク群の予後においては無視できない結果と言えそうだ。今後、日本を含む他地域での研究が期待される。(中沢真也)

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