2004.03.09

心筋梗塞後CRP高値例で、スタチンの生命予後改善作用が増強

 心筋梗塞後退院時にHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)を服用していた例では1年後の生存率が非服用例に比べ有意に高く、特に血中C反応性タンパク(CRP)濃度が高い例で生命予後改善作用が強力だと、国立医療センター大阪病院の金城都博氏らが3月7日のポスターセッション「New Observations From Acute Myocardial Intervention TrialsI」において発表した。

 急性心筋梗塞5222例が登録されている多施設共同観察研究OACIS(Osaka Acute Coronary Insufficiency Study)からの知見だ。金城氏らはOACIS登録例のうち、心筋梗塞後安定期(平均:発症25日後)に血液サンプルを得られた3508例(平均64.4歳、男性76%)の1年生存率を、退院時スタチン服用の有無で分け、検討した。

 退院時の背景因子を比較すると、スタチン服用群では非服用群に比べ、「高脂血症例が多い」(24.2%vs85.9%)のほか、「若年」(65.3歳vs62.0歳)、「肥満」(BMI 23.2vs24.3)、「高血圧罹患例が多い」(49.3%vs54.1%)、「心筋梗塞再発が多い」(11.9%vs15.3%)、「脳血管障害既往が少ない」(9.1%vs5.9%)、「心筋梗塞重症度が軽い」――という特徴があった(いずれも有意差)。

 また治療との関係では、「バイパス術施行例」ではスタチン服用群で有意に差が少なく(3.5%vs0.5%)、さらにスタチン服用群では、ACE阻害薬(60.9%vs66.3%)、β遮断薬(32.9%vs37.5%)、抗血小板薬(95.1%vs97.6%)とも服用率が有意に高かった。

 このような背景を基に、1年後の生存率はスタチン群が有意に良好だったが、緒因子を補正後もスタチン服用群の死亡リスクは、非服用群の0.38(95%信頼区間:0.15〜0.96)で、有意に減少していた。興味深いのは、試験開始時のCRP濃度4分位数で分けた最高位にあたる「CRP≧0.4mg/dl」群では、スタチン服用例の生存率が非服用例に比べ著明に良好であるのに対し、「CRP<0.4mg/dl」群では、スタチン服用の有無に関わらず生存率が同等であった点だ。

 そこで金城氏らは、CRP濃度0.4mg/dl「未満」と「以上」の2群に分け、スタチン服用の有無が死亡に与える影響を検討した。その結果、緒因子を補正すると、死亡リスクが最も低かったのは「CRP濃度0.4mg/dl未満」のスタチン「服用」例。しかし「CRP濃度0.4mg/dl以上」でも「服用」例の死亡リスクは増加傾向を示すにとどまり、また「非服用」例でも、「CRP濃度0.4mg/dl未満」であれば死亡リスクは増加しなかった。しかし、「CRP濃度0.4mg/dl以上」でスタチン「非服用」の死亡リスクは、リスクが最も低い「0.4mg/dl未満の服用」例に比べ6.74倍まで、有意に増加していた(95%信頼区間:1.07〜42.3)。

 心筋梗塞例の退院時スタチン服用は、退院後1年死亡率を有意に減少させ、CRP濃度の高い例ではスタチンの生命予後改善作用がより著明になる──と金城氏は結論付けた。

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