2004.03.08

高めの「適正」血圧は高血圧の発症リスク、100/70mmHg未満の維持がベスト

 高血圧予備軍には入らない収縮期血圧120mmHg以下、拡張期血圧80mmHg以下の「適正」血圧でも安心はできないようだ。大規模コホートの健診データを基にした後ろ向き研究の結果、適正血圧域でも血圧が高いほど将来の高血圧の発症リスクが高いことが分かった。3月7日のポスターセッション「高血圧:病態生理学とリスクファクター」で、Kaiser医療保険プログラムのShubha Ananthakrishnan氏が報告した。

 Ananthakrishnan氏らは、Kaiser医療保険の加入者のうち、1978〜1985年に初期健診を受診し、1995年時点で加入し続けていた1万8576人を対象とした。開始時点で高血圧、高血圧の治療歴、脳卒中、冠状動脈疾患、糖尿病などの既往がある者は除外した。1995年から2000年の間に、高血圧と診断されたか高血圧の投薬を受けたのは1192人だった。

 これを基に、収縮期血圧100未満、拡張期血圧70未満を1とした時の開始時点の血圧による高血圧発症の相対リスクを求めた。その結果、収縮期血圧が100〜109の相対リスクが1.5、110〜119では1.7、拡張期血圧が70〜74では1.3、75〜79では1.8といずれも有意に高いことが分かった。

 さらに、収縮期血圧が110〜119mmHgの時の100mmHg未満に対する相対リスクと、拡張期血圧が75〜79mmHgの時の70mmHg未満に対する相対リスクを、対象者の属性別に求めると、年齢が低いほど高く、40歳以上では1.5であるのに対し、30歳未満では2.3倍と高かった。また、男性のリスクは女性の0.7倍、アジア人と黒人のリスクはそれぞれ白人の2.3倍、2.2倍と高かった。

 これらの結果からAnanthakrishnan氏らは、「いかなる血圧も高血圧前状態と見直すべきだ」と指摘した。将来の高血圧発症リスクを考慮した場合、若年における適正血圧は100/70mmHg未満とすべきであり、これを超える場合には、高血圧発症リスクを低減するため、密接なフォローアップとライフスタイル教育を実施する価値があるとしている。(中沢真也)

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