2004.03.05

【連載:がんの治療成績を読む】 その8 パート2  全国がん(成人病)センター協議会加盟施設の治療成績  がんセンターと併設病院に格差、診療技術と患者背景の区別必要



 これまで、地域がん診療拠点病院のホームページにおける開示情報を見てきたが、今回から数回にわたって、「全国がん(成人病)センター協議会」(以下、全がん協)加盟施設の治療成績について考察していきたい。

 全がん協に加盟する29施設は、日本のがん治療の中核となる施設である。最先端、最善の治療が、同等の医療技術と医療品質で行われていてしかるべきだ。だが、これらの施設の中でも歴然とした成績格差が存在していると考えられる。  

 <>は、全がん協加盟施設を「がんセンター群」(がん治療を専門とする施設)、成人病センター群」(虚血性心疾患、生活習慣病なども治療する施設)、「総合病院群」(幅広い疾患を診療する施設)、「総合病院併設型がんセンター群」、「総合病院併設型成人病センター群」の五つにタイプ分けして成績を見たものだ。厚生労働省のがん研究助成金による研究班が、2003年4月にまとめたデータだ。

 施設全体の「がん治療5年生存率」について、最高の「がんセンター群」の62.63%と、最低の「成人病センター群」の53.75%の間には8.88ポイントもの差がある。

 こうした差の主因として、医療技術の差と患者背景(重症度や年齢など)の違いが考えられる。

 後者は、1.がん検診を多数行い早期患者を捕捉する施設は成績が高めに出る、2.乳がんなど生存率が比較的高い患者の比率が高い施設は成績が高めに出る、3.紹介制で手術の適応が明確な患者のみを受け入れる施設は成績が高めに出る、4.合併症が多い患者を積極的に受け入れる施設は成績が低めに出る−−などが考えられる。

 こうした要因を除外するには、患者の疾病、病期、病態、年齢などによって調整した期待生存率と比べる必要がある。    

 次回は、施設間の成績格差から「推定喪失患者数」という概念を考えてみる。

(埴岡健一、日経メディカル


*随時掲載ですが、当面は毎日掲載する予定です。
*読者からの情報提供をお待ちしています。癌の治療成績に関するデータやご意見があれば、お寄せください。今後の連載の参考にさせていただきます。
宛先:khanioka@nikkeibp.co.jp

■<連載目次へ

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 国が本腰「かぜに抗菌薬を使うな!」 リポート◎外来におけるかぜ患者への対応示す「手引き」登場 FBシェア数:1641
  2. 【詳報】成人肺炎診療ガイドライン2017発表 学会トピック◎第57回日本呼吸器学会学術講演会 FBシェア数:160
  3. PETやSPECTの結果から認知症診断は可能か? プライマリケア医のための認知症診療講座 FBシェア数:106
  4. 海外での日本人の死亡原因、最多76%が◯◯ 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:33
  5. 「ACOS」は本当に必要な疾患概念なのか? 倉原優の「こちら呼吸器病棟」 FBシェア数:61
  6. 無症候性甲状腺機能低下にレボチロキシンは不要 NEJM誌から FBシェア数:1
  7. 急性気管支炎、6割もの医師が「抗菌薬処方」 医師3642人に聞く、かぜ症候群への対応(その1) FBシェア数:183
  8. こう見えて医局制度肯定派の筆者が語る「居場所」論 研修医のための人生ライフ向上塾! FBシェア数:10
  9. 混ぜるな危険、ロラゼパムとロフラゼプ 原崎大作の「今日の薬局業務日誌」 FBシェア数:168
  10. 群大学長「今後も信頼の回復に努めていきたい」 学会トピック◎第117回日本外科学会定期学術集会 FBシェア数:48