2004.03.05

感染症報告医に対するインターネット経由の情報提供は不十分−−米国の調査で判明

 生物学的兵器によるテロ(バイオテロ)など、迅速な対応が必要な感染症では地方自治体と医師との迅速な意思疎通が不可欠となる。米国の州政府などがホームページで提供している医師向けの情報を調査したところ、提供情報が不十分であることが分かった。米ペンシルバニア州感染症疫学部門のNkuchia M’ikanatha氏が米医師会雑誌Journal of American Medical Association誌の2004年3月3日号にresearch letterとして掲載された。

 Nkuchia氏らは、2003年7月、全米主要疾病サーベイランスシステム(NNDSS)の全57管区について、各州の疫学担当者に対して電話と電子メールによる調査を実施した。57管区のうち、ホームページに報告すべき疾患リストを掲載していると報告のあった47管区を含む48管区について提供している情報を調べた。

 その結果、、疾患ごとに定められている報告期限(「ただちに」、「7日以内に」など)の表記があったのは96%、報告用の電話番号を掲載しているのは90%と大半が実施していたが、FAXや電子メールで利用できる報告カードを用意しているのは20管区(42%)、機密保持機能を備えたインターネット経由の報告システムがあるのは、5管区(9%)に過ぎなかった。また米国疾病対策センター(CDC)がバイオテロのカテゴリーAに指定している6種類の細菌/ウイルス(炭疽菌、ボツリヌス、ペスト、野兎病、天然痘、出血熱ウイルス)すべての情報を提供しているのは21管区(44%)だったという。

 トリインフルエンザの流行を見ても明らかなように、疾患に対する対応は状況に応じて変える必要があり、しかも迅速性が要求される。インターネットによる情報提供は低コストで迅速性を確保できるため、臨床医への情報提供手段としての価値は高まりつつある。地方自治体にとって、有用性を生かす情報提供方式の検討は欠かせないものになりそうだ。

 本論文の原題は、「Use of the Web by State and Territorial Health Departments to Promote Reporting of Infectious Disease」、アブストラクトの無償参照は現時点ではできない。(中沢真也)

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