2004.03.03

【連載:がんの治療成績を読む】 その5 がん拠点病院の治療成績(大腸がん編) 大腸がんの5年生存率、結腸、直腸の個別開示が重要

 今回は大腸がんの生存率を見る。<>は、地域がん診療拠点病院のホームページから、比較的情報公開が進んでいると思われる幾つかの施設の大腸がん5年生存率を拾い上げ、表にしたものだ。

 標準的な成績の目安として、全国がん(成人病)センター協議会加盟施設の集計データ(注)も掲載した。大腸がんのうち、結腸がんと直腸がんでは生存率がかなり異なるため、それぞれ分けて成績を出すケースが増えている。

 全がん協施設の結腸がんの5年生存率は、病期Iで85.8%、病期IIで85.1%、病期IIIで65.3%、病期IVで24.5%である。直腸がんでは、病期Iで82.0%、病期IIで66.2%、病期IIIで59.5%、病期IVで23.6%となっている。

 施設別に見てみよう。

 都立駒込病院や高知県立中央病院は、結腸がんと直腸がんを分けて表示している。

 武蔵野赤十字病院、高知県立中央病院、九州がんセンターなどは比較的高い成績を示しているようだ。一方で、鳥取県立厚生病院などの成績は振るわないようだ(標準的な成績に対して統計学的に有意な差があるかどうかは、さらなる分析を必要とする)。

 全がん協のデータを見ると、結腸がんと直腸がんでは、病期IIで18.9ポイント、病期IIIで5.8ポイントの生存率差がある。各病院の開示においても、この2疾病は分けて示されることが望まれる。

 次回は乳がんを見る。
                        
(埴岡健一、日経メディカル

表の注:群馬県立がんセンター、埼玉県立がんセンター、千葉県立がんセンター、国立がんセンター中央病院、癌研究会付属病院、神奈川県立がんセンター、国立病院四国がんセンター、国立病院九州がんセンター、茨城県立中央病院、東京都立駒込病院、新潟県立がんセンター、滋賀県立成人病センター、大阪府立成人病センター、兵庫県立成人病センター、山形県立成人病センター、福井県立成人病センター、岩手県立中央病院、国立大阪病院、山口県立中央病院の19病院の集計データ。なお、全がん協のうち、宮城県立がんセンター、栃木県立がんセンター、国立がんセンター東病院、愛知県がんセンター、国立札幌病院、国立呉医療センター、青森県立中央病院、富山県立中央病院、国立名古屋病院、佐賀県立好生館病院のデータは含まれていない。

*随時掲載ですが、当面は毎日掲載する予定です。
*読者からの情報提供をお待ちしています。癌の治療成績に関するデータやご意見があれば、お寄せください。今後の連載の参考にさせていただきます。
宛先:khanioka@nikkeibp.co.jp

■<連載目次へ


Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 「なぜ私が低評価?」人事考課の苦情に院長困惑 院長を悩ます職員トラブル大研究 FBシェア数:5
  2. 「AIに興味がある医師」を探し始めた病院の狙い 医師ヘッドハンティングの舞台裏 FBシェア数:4
  3. 長引く感冒を疾患クラスターで考える 毎回5分、初めての診断戦略 FBシェア数:13
  4. 患者が増えない… 院長が突き止めた原因とは 診療所経営駆け込み寺 FBシェア数:1
  5. 患者応対を改善させる「マジックフレーズ」 榊原陽子のクリニック覆面調査ルポ FBシェア数:2
  6. 手指衛生、ちゃんとやってるのに、一体何が… わかる!院内感染対策 FBシェア数:108
  7. 原因はおやつ!身体のココを見れば分かる!? 胃カメラのおいしい入れ方 FBシェア数:85
  8. カルボシステインの薬疹は夜飲むと起こりやすい 松本康弘の「極める!小児の服薬指導」 FBシェア数:434
  9. ついに登場!希釈式自己血輸血 リポート◎自己血輸血に3つ目の柱、手術当日でも可能な新手法 FBシェア数:390
  10. 抗PD-1抗体投与後の1型糖尿病発症、実態は 学会トピック◎第60回日本糖尿病学会年次学術集会 FBシェア数:95