2004.02.27

「にがり」が大ヒット中 便通改善などを実感しやすい商品として、市場が急拡大

 数年前までは、豆腐を作るときの凝固剤として利用される程度だった「にがり」。これが、健康効果の高い食品として消費者の人気を集めている。


 にがりは海水を濃縮し、そこから塩分を取り除いたあとに残った液体。マグネシウムを筆頭に、ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛など、80種類以上のミネラルを含む。ナチュラルミネラルウオーターと呼ばれる水にも同様のミネラルが含まれるが、にがりは一般的にミネラルウオーターの数十〜数百倍量のミネラルを含む。

 にがりがもつ健康効果は、まず、便通改善だ。にがりの濃度によって適量は変わるが、1日に小さじ1程度のにがりを摂取すると、2、3日のうちに効果を実感できる。

 また、代謝酵素の働きが活発になってエネルギー消費量が高まることから、ダイエット効果も期待できる。

 消費者は、にがりを水やお茶などの飲み物や、味噌汁や煮物などの料理に入れて利用しているようだ。

 また、美肌効果もあることがわかってきた。

 にがりを水で薄めた「にがりローション」を肌につければ、保湿力のかなめとなるセラミドが増え、保湿力がアップする。

 しかも、こうした便通改善や肌の保湿力アップ効果は即効性が高く、「下剤をのまなくても、お通じがある。こんなの数年ぶり」「にがりローションを使うようになったら、3日で肌がシットリ潤ってきた」といった、利用者の声がよく聞かれる。

 今やにがりは、スーパーやドラッグストアの特等席を占める主力製品に成長している。塩やにがりの大手メーカー、赤穂化成(兵庫県赤穂市)によると、同社が販売する料理用にがり「天海のにがり」の2003年の販売数量は、2002年の10倍と大幅増を記録。

 インターネットでにがりの通信販売をするベンチャー企業、亀山堂(長崎県時津町)の「天然にがり」は、2002年1月の販売本数はわずか約40本。

 これが2004年1月は、「売り上げ本数は約20万本」(同社の小坂達也代表)と爆発的な伸びをみせている。

 同社製品は、2003年10月から大手スーパーが取り扱いを開始、「ダイエーや生協では、売り上げ、利益ともナンバーワン商品という声もある」(同社)という。

 「昨年9月に移転したばかりのオフィスが手狭になり、12月に新社屋に引っ越した」 (小坂代表)と、景気のいい話が続く。

 にがりの効用についての認知度が高まってきただけに、にがりを配合した新製品も相次ぎ登場している。

 赤穂化成は1月、化粧水の「死海のにがり 肌の美水」、入浴剤の「死海のにがり (スベスベタイプ/ヌルヌルタイプ)」を順次発売。

 亀山堂は2月23日、大麦若葉とブレンドした「にがり青汁」を発売した。今後も、にがり配合商品が続々と登場しそうだ。

 にがりの健康効果の源となっているのは、にがりの主成分であるマグネシウムだ。

 マグネシウムをとると、腸の中へ水分が引き込まれ、固い便が軟らかくなる。

 そもそもマグネシウムは、下剤の有効成分として医薬品にも配合されており、確かな効果を持つ。

 また、マグネシウムはダメージを受けた肌の修復能を上げ、しっとりと潤った肌にする作用を持つ。

 海藻や野菜の摂取量が少ない現代人は、マグネシウムが不足しがち。

 しかも、強いストレスにさらされると、マグネシウムはどんどん体外へ排出される。

 そんな現代人が、マグネシウム不足をにがりで補ってみると、体調がみるみる良くなるのを実感でき、あっと言う間にその評判が広がった、というわけだ。

 ちなみに、サプリメントとしてのマグネシウムは、マルチミネラルの1成分、あるいはカルシウムとセットにした「カルマグ」としての商品化がほとんどで、マグネシウムをメーンとした国産商品は、ほとんどない。

 にがりの場合、生命の母なる海水を原料とした天然もの、しかも豆腐に含まれる素材として、日本人が長年食べてきた−−という安心感が、にがりブームを後押ししている。

 なお、にがりの効用や効果的な摂取方法、商品情報については、日経ヘルス4月号(3月2日発売)で詳報する。(小山千穂)

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