2004.02.20

食事中の抗酸化物が2型糖尿病を予防、フィンランドの長期追跡研究が示唆

 ビタミンEやβクリプトキサンチンなどの抗酸化物を食事から十分に摂取している人では、2型糖尿病の発症率が低いことが、フィンランドで行われた長期追跡研究から判明した。中高年の男女4300人を23年間追跡した結果で、Diabetes Care誌2月号で発表された。抗酸化物が糖尿病の発症リスクを下げる可能性があることは、動物実験や小規模の研究で示唆されていたが、大規模な追跡調査で同様の結果が得られたのは初めて。

 この研究は、フィンランドの地域調査研究「Finnish Mobile Clinic Health Examination Survey」の一環として行われたもの。研究では1966年から1972年にかけて、フィンランド各地の住民の食生活や健康状態を調査したが、今回はおよそ1万人の調査対象者のうち、調査時に40〜69歳で食生活に関する詳細な情報が揃っており、糖尿病にかかっていなかった男性2285人、女性2019人を解析した。なお、調査時にはビタミン剤などサプリメントの服用は一般的でなかったため、サプリメントの服用状況は調べていない。

 平均23年間の追跡期間中、383人が新たに2型糖尿病を発症したが、発症者では非発症者よりも調査時の抗酸化物総摂取量が少ないことが判明。食生活データから各種の抗酸化物の1日摂取量を算定して比較すると、ビタミンE(トコフェロール類)のうちαトコフェロール、γトコフェロール、δトコフェロール、βトコトリエノールと、カロテノイドのうちβクリプトキサンチンについて、摂取量と2型糖尿病の発症率とに負の相関があることがわかった。

 具体的には、ビタミンEを食事から十分に摂っている人では3割、βクリプトキサンチンでは4割、2型糖尿病の発症率が低いとの計算になった。一方、ビタミンCの摂取量と2型糖尿病の発症率とには、特に関連が認められなかった。

 また、2型糖尿病を発症した人は非発症者よりも太っており、高齢で、家族に2型糖尿病の人がいる(家族歴がある)人や高血圧の人が多かった。しかし、肥満か否かや年齢などで分けて解析を行っても、結果は変わらなかった。

 トコフェロール類は小麦胚芽や大豆、ナッツ、植物油、米ぬかなどに多く含まれており、βクリプトキサンチンはみかんなど柑橘類に多い成分。いずれも強い抗酸化活性を持つが、今回は予防的な作用が認められなかった成分の中にはこれらより抗酸化活性が高いものもあり、単純に「抗酸化活性が高いものほど良い」というわけではないようだ。成分間に協働作用がある可能性もあり、研究グループは、より大規模なコホート追跡研究や介入研究で、各種抗酸化物の2型糖尿病予防効果を確認すべきとしている。

 この論文のタイトルは、「Dietary Antioxidant Intake and Risk of Type 2 Diabetes」。アブストラクトは、こちらまで。(内山郁子)

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