2004.02.17

【糖尿病学の進歩から】 糖尿病治療のイメージが悪すぎる

 「食事がまずい」「好きなものが食べられない」「糖尿病の治療がきつい」「面倒くさい」−−。糖尿病診療の現場では、こうした患者の不満を耳にすることが少なくない。「たいした病気ではない」「どうせコロッと死ぬつもり」など、病気に対する認識の甘さも、治療の大きな壁となりうる。2月6、7日に福岡で開催された糖尿病学の進歩で、九州大学医学部付属病院医療情報部の中島直樹氏は、「糖尿病治療のイメージが悪すぎる」点が糖尿病診療の大きな課題の一つであると訴えた。

 「糖尿病診療の変革 糖尿病診療におけるIT利用と情報の標準化」と題して登壇した中島氏は、福岡市医師会−九州大学医学部付属病院共同プロジェクト「セキュリティと標準化を重視した福岡市糖尿病電子カルテネットワーク」の取り組みについて紹介した。

 糖尿病診療においてもIT化が進んできているが、中島氏は「ネットワークとしての情報共有化は進んでいるとは言い難い」と指摘。施設や個人でのいわゆる「点」では情報が蓄積しているものの、診療情報としての流通は遅れているとの現状認識を示した。その上で、共有化が進まない最大の理由は診療情報の「標準化の遅れ」であるとし、診療情報の共有を図るための標準規格の重要性を強調した。

 日本医療情報学会では、診療情報交換指針(MERIT-9)と医療情報システム開発センターが作成した「電子保存された診療情報交換のためのデータ項目セット(J-MIX)」を使って、糖尿病診療の情報交換のためのミニマムデータセットを作成している。中島氏らは、こうしたデータセットを用いて実証研究を重ねているわけだが、その中で患者の視点での情報提供が必要であることも浮かび上がっている。「糖尿病治療のイメージが悪すぎる」との指摘は、糖尿病診療最前線からの警鐘と受け止めていいだろう。(三和護)

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