2004.02.13

日本コカ・コーラ、健康志向飲料に大きく舵を切る 難消化性デキストリン配合の初のトクホ茶、5月に投入へ

 日本コカ・コーラは2004年2月12日、同社にとって初のトクホ(特定保健用食品)飲料の発売を2004年5月上旬に予定していると、都内で開かれた「コカ・コーラシステム 2004年事業戦略発表会」で明らかにした。

 同社はこれまで、日本の飲料分野でシェア32%(同社調べ)と圧倒的な強みをみせてきたが、健康増進に効果のある健康志向飲料はほとんど市場投入せず、そのこともあって、収益力が落ちてきていた。

 今回投入を予定しているのは、難消化性デキストリンを配合したブレンド茶「颯爽(さっそう)」。

 さらに、「今後も続々と、トクホ飲料や機能性の高い飲料を市場投入していきたい」(日本コカ・コーラの魚谷雅彦社長)とする。

 「世界で最も価値が高いブランドである『コカコーラ』」(魚谷社長)が、健康志向飲料に大きく舵を切ることになった意味は大きい。

 「颯爽」のコンセプトは、「現代人の健康的なライフスタイルをサポートする健康ブレンド茶」。ターゲット層は35歳以上の男女。販売チャネルはスーパー、ドラッグストア、コンビニ。希望小売価格(税込み)は350mlペットボトルが160円、340g缶が150円。

 難消化性デキストリンは、トウモロコシから作られる水溶性の食物繊維で、食事のときに摂取すると、食後血糖値の急激な上昇を穏やかにする。

 「血糖値が気になる方に適した」トクホの“関与する成分”(トクホが健康効果を発揮する基となる有効成分)として、カルピスが2002年9月に全国発売したトクホのウーロン茶飲料「健茶王」をはじめ、数多くのメーカーが採用し、トクホを取得している。

 ここ数年、市場が急拡大している生活習慣病対策トクホの中でも、最も実績のある成分だ。

 トクホは取得していないが、同社の健康志向飲料はすでに2商品ある。
 一つは、2003年にリニューアルした「まろ茶120」。100ml当たりのカテキン含有量を60mgと、従来品より20%増量した商品で、前年比40%近く販売量を増やすことに成功した。

 二つ目は、2004年1月から発売する「春のミント習慣」。花粉症対策の茶飲料で、ミントポリフェノールを有効成分とするもので、岡山大学薬学部などとの共同研究をもとに開発した。現在、スーパーやコンビニ、ドラッグストアの店頭で目立つ存在になっている(関連トピックス参照)。



■収益力にかげり、トクホ飲料投入で攻勢に■

 日本コカ・コーラは2003年12月現在、全国にボトラー14社、営業所545カ所、従業員2万3000人、工場34カ所、販売ルート7500、自販機98万台、取引店舗数55万店という強力な営業ネットワークを持ち、年間総売り上げは1兆2500億円(全国14ボトラー各社の合計額)、出荷総数が6.4億ケース、マーケットシェア32%と、絶大な力をもつ。
 
ところがここ数年、収益力にかげりが出てきた。

 2003年は販売量が前年比で3%減少した。03年の冷夏の影響が大きく、第4四半期は前年同期比1%増と回復基調にあるとするものの、事業の収益力が低下しつつあるようだ。上場しているボトリング企業の業績がそれを示している。

 連結決算の経常利益でみると、近畿コカ・コーラボトリングは3年でほぼ半減。三国コカ・コーラボトリングは4年で3分の1弱に減少、北海道コカ・コーラにいたっては4年で20分の1に、といった具合だ。

 日本コカ・コーラは、消費者の健康志向に沿う機能性の高い飲料の投入で、業績の回復を狙う。

 なお、コカ・コーラのグループ企業の中で、難消化性デキストリンを利用したトクホ飲料をすでに商品化しているところがある。

 近畿コカ・コーラボトリングの「健人茶論(けんじんさろん)」というブレンド茶飲料で、血糖値対策のトクホとして1997年5月から発売している。価格は340g缶入り190円。

 同社は、キリンビールと三菱重工業が主要株主で、大阪、兵庫、京都を事業領域としている。

 24缶入り1ケースを4800円(税込み・送料無料)で宅配便で届けるサービスも行っているため、事業領域の大阪、兵庫、京都でしか入手できなりという商品ではないが、あくまでも近畿コカ・コーラの限定商品という位置付けで、全国商品ではなかった。 
(河田孝雄)

■ 関連トピックス ■
◆ 2004.1.16 花粉症対策食品、ヒットするのはどれ?
1月から、湧永製薬、コカ・コーラ、伊藤園、カルピス、キッコーマン、ロッテ、小岩井乳業も参入


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