2004.02.02

【疫学会速報】 インフルエンザワクチン接種、乳幼児での有効性を支持

 乳幼児に対するインフルエンザワクチンの有効性を支持する研究結果を、第14回日本疫学会学術総会で、大阪市立大公衆衛生学の藤枝恵氏が発表した。

 同氏らは、2000/01年シーズンから2002/03シーズンの3シーズンにわたって、全国55カ所の小児科診療所の受診患児を対象に、ワクチン接種希望者を接種群、各接種者の直後の受診患児1〜2人を非接種群に割り付けて、ワクチンの有効性を調査した。

 患児の居住地域の週別インフルエンザ様疾患(ILI)届け出患者数と週別ウイルス分離数から地域の最流行期を割り出し、ILI発症状況の観察期間とした。ILI発症の指標は、最流行期の最高体温とした。解析対象は2000/01年シーズン2337人、2001/02年シーズンは2612人、2002/03年シーズンは2913人となった。

 その結果、接種群と非接種群の患者背景で補正したILI発症に対するワクチン接種群のオッズ比は、2000/01年シーズン0.78(p=0.043)、2001/02年シーズン0.75(p=0.000)、2002/03年シーズン0.75(p=0.000)と、いずれの流行シーズンでもワクチン接種群で有意にILI発症を抑制していることが示された。

 さらに年齢別に分析すると、1歳以上の補正オッズ比は、2000/01年シーズン0.72(p=0.013)、2001/02シーズン0.76(p=0.000)、2002/03シーズン0.72(p=0.000)と、やはりワクチン接種の有意な有効性が認められた。

 一方、1歳未満については症例数が足りなかったこともあり、2000/01年シーズン1.45(p=0.299)、2001/02シーズン0.71(p=0.463)、2002/03シーズン1.93(p=0.119)と、シーズンによってばらつく結果となった。

 藤枝氏は、「流行株、患児の免疫の状態、流行規模が毎年変動するので、調査をさらに継続して、ワクチン接種の有効性をはっきりと立証させたい」と強調している。
(星良孝、日経メディカル

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 専攻医募集で総合診療が「惨敗」、その理由は? 記者の眼 FBシェア数:457
  2. 抗菌薬関連下痢症の再発を防ぐ抗体医薬が登場 トレンド◎C. difficile産生トキシンBを捕捉して腸傷害を回避 FBシェア数:8
  3. 49歳男性。進行性の高次脳機能障害 日経メディクイズ●神経内科 FBシェア数:0
  4. 比較読影はなぜ重要なのか? 今さら聞けない画像診断のキホン FBシェア数:0
  5. 心筋梗塞の25%は胸痛なしと知ってはいたが… 木川英の「救急クリニック24時」 FBシェア数:21
  6. 成長期のアスリートに多いスポーツ貧血って? あなたの知らないスポーツ内科の世界 FBシェア数:47
  7. 「雪かきして、だるい」も危険なサイン Cadetto Special●冬の救急 FBシェア数:3
  8. インフルエンザ脳症で1歳児が死亡、今シーズン初め… インフルエンザ診療Next:トピックス FBシェア数:189
  9. 「入院難民」「在宅難民」が深刻な社会問題に 特集◎「2040年問題」で日本の医療はここまで変わる《3》 FBシェア数:121
  10. 医師の時短に向け直ちに実施すべき事項を明示 「医師の働き方改革に関する検討会」が緊急取り組み案と中間論点整理 FBシェア数:7
医師と医学研究者におすすめの英文校正