2004.01.30

南米原産のカイアポイモ、プラセボ対照試験で2型糖尿病への「長期効果」が確認

 南米生まれの白いサツマイモ(白甘藷)として知られる「カイアポイモ」が、2型糖尿病患者の血糖コントロールを、長期間にわたり改善することがわかった。61人を対象とした3カ月間のプラセボ対照試験で、長期的な血糖コントロール状態を反映するヘモグロビンA1c(HbA1c)値が、有意に下がったという。いわゆる健康食品が、プラセボ対照試験でHbA1c値の改善効果を立証したのは初めて。研究結果は、米国糖尿病協会(ADA)の学術誌であるDiabetes Care誌2月号に掲載された。

 この研究を行ったのは、オーストリアVienna大学第三内科のBernhard Ludvik氏ら。Ludvik氏らは、カイアポイモから作ったサプリメントが、「糖尿病に効く」として日本で服用されており、血糖改善作用を示す基礎データも揃っている点に着目。18人の2型糖尿病患者に対する6週間のプラセボ対照試験で、インスリン抵抗性改善作用を通して糖・脂質代謝が改善されることを以前に確認している(Diabetes Care;25,239,2002)。今回は、より大規模・長期間の試験で、長期的な効果や安全性について評価を加えた。

 試験対象は、原則として食事療法のみを受けている、軽症の2型糖尿病患者61人。平均年齢は55歳、体格指数(BMI)は28だ。くじ引きで2グループに分け、食事療法を続けながら、プラセボまたはカイアポイモ・サプリメント(富士産業製、1日量:4g)を1日1回朝食前に服用してもらった。試験開始時の平均空腹時血糖値は、カイアポイモ群(30人)、プラセボ群(31人)のいずれも144mg/dl。平均HbA1c値は、カイアポイモ群が7.21%、プラセボ群が7.04%だった。

 3カ月後のHbA1c値は、カイアポイモ群で6.68%と、試験開始時よりおよそ0.5%有意に下がることが判明(p<0.001)。一方のプラセボ群では7.10%で、試験開始時とほとんど変わらなかった(p=0.23)。ちなみに、軽症糖尿病患者でHbA1c値が3カ月で0.5%下がるとのデータは、糖尿病の経口治療薬の効果にほぼ匹敵する。

 空腹時血糖値についても同様の効果がみられ、カイアポイモ群では3カ月後に129mg/dlまで下がったが、プラセボ群では138mg/dlと、試験開始時とほとんど変わらなかった。カイアポイモ群では減量効果も認められた。副作用はほとんど無く、数人が便秘などになったくらいだった。

 以上から研究グループは、カイアポイモ・サプリメントの血糖値改善効果は一時的なものではなく、長期的にも良い影響が現れると結論。安全性も高いため、2型糖尿病の治療に役立つサプリメントになると考察している。

 ただし、カイアポイモ・サプリメントの値段は1日当たり500円程度(4g相当)と、日本で普通に使われている糖尿病の治療薬(薬により10〜300円程度)よりも、実は高く付く。多少お金がかかっても、どうしても“薬”は飲みたくない−−。そういう人には最適なサプリメントと言えそうだ。

 この論文のタイトルは、「Efficacy of Ipomoea batatas (Caiapo) on Diabetes Control in Type 2 Diabetic Subjects Treated With Diet」。アブストラクトは、こちらまで。(内山郁子)

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