2004.01.29

「嗜眠」「構話障害」など4症状、レビー小体型痴呆とアルツハイマー病の鑑別に有用

 痴呆症の中でも区別が付きにくい、レビー小体型痴呆(DLB)とアルツハイマー病(AD)の鑑別に、嗜眠や構話障害などの4症状が役立つことがわかった。4症状のうち三つ以上を持つ人がDLBである確率(陽性適中率)は83%、二つ以下の人がDLBではない確率(陰性適中率)は70%と、“当たり”を付ける上で十分な水準だったという。痴呆のない高齢者とDLB患者、AD患者とを対象とした米国の研究結果で、Neurology誌1月27日号に掲載された。

 DLBは、認知機能の変動と幻視、特発性のパーキンソニズムの三つを特徴とする進行性の認知機能障害。しかし、この三つの症状が必ずしも揃うとは限らず、臨床現場ではADとの鑑別が難しい場合が多い。

 米国Mayoクリニック精神・心理科のT. J. Ferman氏らは、同クリニックで認知機能検査を受けた患者データベースから、痴呆や精神・神経疾患がない高齢者200人と、DLB患者70人、AD患者70人を抽出。配偶者や子どもなど対象者の日常の状態を良く知る人(informant)に、19項目からなる調査票へ記入してもらい、正常高齢者とAD、DLBとでどのような症状に違いがあるかを調べた。

 すると、1.前日に十分な睡眠を取っていても、日中ぼんやりしていたり眠っていたりすることがある(嗜眠)、2.日中に2時間以上眠る(日中の睡眠)、3.長い間空中を見つめていることがある(一過性の意識散漫)、4.話の流れがばらばら、不明瞭、非論理的な時がある(構話障害)−−の四つの症状が、DLB患者で正常高齢者やAD患者より特に多いことがわかった。正常高齢者では88%が、これらの症状を一つも持っていなかった。

 次に研究グループは、この4症状が、DLBとADとの鑑別に役立つかどうかを評価した。その結果、4症状のうち三つ以上を持つ人の割合が、DLB患者では63%に達するのに対し、ADではわずか12%であることが判明。陽性適中率は83%と、高い確率でDLBと診断できることがわかった。逆に、4症状のうち二つ以下しか持たない人の場合、70%の確率で「DLBではない」と診断できる計算になった。

 興味深いのは、DLBの特徴とされる「認知機能の変動」を直接尋ねた設問では、ADとDLBに差が認められなかったこと。このデータは、DLB患者の「認知機能が良くなったり悪くなったりする」という症状が配偶者などには分かりにくい、あるいはAD患者や正常高齢者にもある“体調や機嫌の良し悪し”のようなものと区別が付きにくいことを示唆している。

 論文に対する論説では、痴呆患者の配偶者などに日常の状態を聞く際、「認知機能の変動」を直接尋ねるよりも、嗜眠や構話障害などの有無を尋ねる方が、DLBとADとの鑑別にはより実践的であると論じている。

 この論文のタイトルは、「DLB fluctuations: Specific features that reliably differentiate DLB from AD and normal aging」。アブストラクトは、こちらまで。(内山郁子)

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