2004.01.28

抗リウマチ薬「アラバ」で副作用死か、服用者5人が間質性肺炎で死亡

 アベンティス ファーマは1月27日、昨年9月に発売、現在市販後全例調査中の経口抗リウマチ薬「アラバ」(一般名:レフルノミド)で、薬剤との関連が否定できない死亡例が発生したと発表した。約3400人の服用者中、16人に間質性肺炎の発症や増悪が認められ、うち5人が死亡した。

 レフルノミドは「疾患修飾性抗リウマチ薬」(DMARD)と呼ばれる抗リウマチ薬の一つ。海外データの外挿(ブリッジング)で承認されており、日本人に対する使用経験が少ないため、市販後一定期間の全例調査が義務付けられた(関連トピックス参考)。そのため現時点では、リウマチ専門医が在籍し、かつ同社と調査協力契約を結んだ医療機関のみを通して処方されている。

 同社に服用者の間質性肺炎が最初に報告されたのは10月27日。11月までにのべ二人の発症・増悪が確認、12月にはさらに5人に間質性肺炎が発現した。1月5日には最初の死亡例が発生。1月26日までに、総服用者(登録者)3412人中16人(0.5%)で間質性肺炎の発現がみられ、うち5人が死亡したことがわかった。間質性肺炎の発症・増悪がみられた16人中9人、亡くなった5人中3人には、間質性肺炎・肺線維症の既往や合併があったという。

 この状況を受け、アベンティス ファーマは1月23日から、レフルノミドを処方しているすべての医療機関(403施設)と取引卸(64軒)に対して、以下に挙げる緊急対応を要請。レフルノミドを扱う調剤薬局(493軒)にも情報提供を開始した。

 要請した緊急対応は、1.間質性肺炎・肺線維症の合併や既往歴があるリウマチ患者には新規処方を避け、現在処方中の場合は投与を中止する、2.発熱や咳、呼吸困難などの呼吸器症状が現れた場合は、すみやかに胸部X線撮影などの検査を行い、レフルノミド投与を中止するとともに適切な処置を行う、3.間質性肺炎・肺線維症の既往歴や症状がない場合でも、処方開始時に胸部X線撮影などの検査を行う−−の三つ。

 アベンティス ファーマでは今後、間質性肺炎の発現・増悪とレフルノミドとの因果関係などについて調査を進める。また、現時点で既に、市販後全例調査の予定登録症例数(3000人)を超える患者登録が行われているが、当面は患者新規登録および安全性調査を続行する予定だ。

 なお、間質性肺炎はこれまで、レフルノミドの副作用としては極めてまれ(0.1%未満)だと考えられており、実際に国内の臨床試験(安全性評価対象症例365例)では一人も発生していなかった。海外の臨床試験(安全性評価対象症例1339例)でも発生は一人(0.07%)だけで、海外における臨床使用でも40万人中80人(0.005%)の報告があるのみだったという。

 今回の市販後全例調査でも、重点調査項目に挙げられていたのは肝障害と感染症、血球減少の三つで、間質性肺炎はいわば予想外の高頻度発生となった形。一昨年に発売された抗癌薬「イレッサ」(一般名:ゲフィチニブ)でも、間質性肺炎が予想外に高い頻度で発生し物議を醸したが(関連トピックス参照)、今後は薬剤性間質性肺炎における「発症頻度の人種間差」にも一層の注目が集まりそうだ。

 レフルノミドの患者向け、医療従事者向けの安全性情報は、アベンティス ファーマのホームページの「くすりのしおり アラバ錠10mg」から入手できる。(内山郁子)

■ 関連トピックス ■
◆ 2003.9.24 アベンティス、抗リウマチ薬「アラバ」市販後全例調査で保険薬局に協力要請
◆ 2003.10.27 日本癌治療学会速報】WJTOGの「イレッサ」投与患者全数調査結果まとまる−−「男性」「肺線維症」と「喫煙」が急性肺障害発症と予後不良の両者に影響

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