2004.01.27

【疫学会速報】 日本人成人の睡眠薬服用率は7.4%、多量服用者には日中過眠や意欲低下多い 

 日本人成人の7.4%が睡眠薬を服用しており、その半数以上が週に3回以上服用している。若年者よりも高齢者、男性よりも女性の服用率が高く、70歳以上の女性では実に4人に一人が睡眠薬を服用している。男女各2800人を対象とした全国調査の結果、満足な眠りを得ようと薬剤に頼る人々の実態が浮かび上がった。1月21日のポスターセッション「ライフスタイル・ストレス」で国立保健医療科学院疫学部の土井由利子氏(写真)が報告した。

 土井氏の発表は、1997年に実施した睡眠に関する健康調査の調査データを基に、睡眠薬使用の実態を解析したもの。1995年の国勢調査に基づいて全国から二段無作為抽出法によって抽出した一般成人の男女各2800人に対し、1997年に自記式質問票を郵送し、回答を得た。回収率は67.5%で有効回答数は男性920、女性951だった。

 成人全体では年齢調整済みの睡眠薬使用率は7.4%で、14人に一人が使用している計算になった。服用率は一般に年齢が高いほど多く、20代では2.6%なのに対して40代では6.8%、60代では12%、70代では19.2%、80歳以上では24.8%だった。30代と40代では男性の服用率が高かったが、それ以外の年代では女性の服用率が高く、70代女性では24.8%、80歳以上の女性では32.4%で、70歳以上の女性では4人に一人が睡眠薬を服用していることが判明した。

 男女とも多くの年代で半数以上が週に3回以上服用していたが、男性の40代、50代と女性の20代では週3回以上の服用者は少なかった。

 睡眠薬自体が基本的には処方薬であるため、服用者の87.9%は医療機関を受診していた。服用者と非服用者を比較すると、服用者は複数の診療科を受診する比率が高く、特に精神神経科と内科を受診する傾向が多く、疾患別では糖尿病、心疾患、消化性潰瘍を罹患している傾向が強かった。

 また、服用頻度が多いほど不眠や日中活動低下の訴えが多い傾向があった。非服用者と比較した相対危険度(オッズ比)を見ると、入眠困難については、週1回未満の服用者では1.28倍、週1〜2回では4.2倍、週3回以上では6.5倍と、服用頻度が多いほど有意に訴えが多かった。

 一方、日中の過眠も、週1回未満の服用では1.1倍、週1〜2回服用では1.74倍、週3回以上では2.79倍と多くなり、日中の意欲低下も同じく、1.62倍、3.85倍、5.52倍と服用頻度が高いほど有意に訴えが多かった。ただし、日中過眠や意欲低下が睡眠薬の副作用であるか否かについて土井氏は、「睡眠薬処方の対象となる抑うつの症状などとも考えられ、本研究だけでは判断できない」とした。(中沢真也)

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