2004.01.27

ビタミンEとCの併用者はアルツハイマー病の罹患率、新規発症率が低い−−Cache County研究より

 米国Utah州Cache郡の住民を対象に行われた横断研究で、ビタミンEとCの両方を服用している人に、アルツハイマー病患者が少ないことがわかった。さらに、横断研究が行われた時点でアルツハイマー病に罹患していない人を追跡したところ、ビタミンEとCの服用者では、アルツハイマー病の発症リスクも低いことがわかったという。研究結果は、Archives of Neurology誌1月号に掲載された。

 この「Cache County研究」は、米国の代表的な地域コホート研究の一つ。65歳以上の住民を対象としたもので、住民の多くがモルモン教徒であるため、飲酒率や喫煙率が極めて低いとの特徴がある。同研究では、特にアルツハイマー病に焦点を当てた解析が数多く行われており、なかでも非ステロイド抗炎症薬(NSAID)との関連を示唆した研究は有名だ(Neurology;59,880,2002)。

 今回は、各種ビタミン剤の服用率と、アルツハイマー病の罹患率、発症率との関連を調査。まず、1995〜1997年にビタミン剤服用状況と認知機能検査を行い、アルツハイマー病の「罹患」とビタミン剤との関連を評価した。さらに、その時点でアルツハイマー病にかかっていなかった人について1998〜2000年に再調査を行い、アルツハイマー病の「発症」とビタミン剤との関連を評価した。

 調査対象は、65歳以上の住民4740人。最初の調査で、200人がアルツハイマー病に罹患していることがわかった。罹患していなかった人のうち3227人について二度目の調査を行ったところ、104人が新たにアルツハイマー病を発症した。

 住民のうち、ビタミンEを1日400国際単位(IU)以上、あるいはビタミンCを1日500mg以上服用していたのは、全体の17%。いわゆるマルチビタミンの服用者(ビタミンE、Cが含まれているが用量が少ない)は全体の20%だった。

 ただし、ビタミン剤の服用者には女性が多く、より若年で、最終学歴が高く、全般的な健康状態も良好。そこで、こうした要素で補正を加えた上で、ビタミン剤の服用とアルツハイマー病との関連を評価した。

 その結果、アルツハイマー病の「罹患率」は、高用量のビタミンEとCの両方を服用している人で8割低い計算になることが判明(補正オッズ比:0.22、95%信頼区間:0.05〜0.60)。同様に「発症率」は6割低い計算になった(補正オッズ比:0.36、95%信頼区間:0.09〜0.99)。一方、ビタミンEとCのどちらか一方のみを服用している人やマルチビタミンの服用者、総合ビタミンB剤の服用者では、アルツハイマー病の罹患率や発症率は非服用者と変わらなかった。

 ビタミンEやビタミンCは抗酸化ビタミンとして知られ、疫学研究などで神経変性に対し予防的に作用することが示唆されているが、大規模な調査でアルツハイマー病の「罹患率」と「発症率」の両方に影響することが示唆されたのは初めて。なぜ高用量を併用した人でのみ予防的な作用が期待できるのかは不明だが、研究グループは、十分量の抗酸化ビタミンを用いた介入試験で、アルツハイマー病の一次予防効果を評価すべきと論じている。

 この論文のタイトルは、「Reduced Risk of Alzheimer Disease in Users of Antioxidant Vitamin Supplements」。アブストラクトは、こちらまで。(内山郁子)

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